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2008年11月10日

エントラップメント(1999)

- 懐かしいスパイ映画タッチ -

美術品の保険を扱う会社に勤めるキャサリン・ゼダ・ジョーンズは、以前からある泥棒に目をつけていた。その泥棒ショーン・コネリーは、かって美術品専門の怪盗として名をはせていた。

新しい盗難事件が発生する。犯人はアクロバットのような身のこなしでレンブラントの絵画を盗む。郵便用ポストを利用して、自分は手ぶらで外に出る。

美術館を探偵していたジョーンズは、逆にショーン・コネリーに見つかってしまうが、自分の計画を打ち明ける。それは、展示中の古代マスクを盗むという計画。実は、それとレンブラントの絵を使って、銀行口座から巨額の金を引き出すための情報を得ようというのだ。

二人は協力してマスクを盗み、情報を得て、ついに巨大銀行のコンピューター室に潜入する。しかし、彼ら二人は互いに騙し合っていた・・・・。

この作品はテレビで2回観た。たぶん人気があるから再放送されると思える。騙し合いが繰り返されて、面白いと思う。

途中は誰が誰を騙しているのか解らなかった。観客である私も騙されていた。泥棒用の道具を調達してくる黒人が、まさか・・・・。脚本が随分良く練ってあったのだろう。特撮が全盛の時代にもかかわらず、この作品は実写で勝負した旧来の作り方で結構な人気を出した。

そのためか、懐かしいスパイ映画のような雰囲気が漂い、映画が全盛だった頃の名作を見ているかのような、あこがれ~ゴージャスな気持ちに近いものを感じることができた。

CG映像は、なぜか作品の質が低い~子供向きの映画であるというイメージを与える原因になるような気がする。私だけであろうか?時には、せっかくの俳優達の演技をチャチなものに感じさせる悪影響もあるように思うのだが・・。

謎とロマンスをからませたストーリーが良い効果を生んでいたが、いっぽうで息をつかせないスピード感といった流れの良さはないので、若い人の中には退屈する人もいるかも。子供は特にそうだろう。

この作品は、昔の映画と同じように、暴力やセックスの直接的表現は極力排除してあるので、家族とでも恋人とでも安心して観ることができる。たぶん恋人と寄り添って見てもハッピーな気分になれるのではないか?

真似して、さっそく何か騙そうと考え出さなきゃいいけど・・。

主人公はショーン・コネリーであったが、さすがにちょっと年を取りすぎていたような気もする。忍び込んで泥棒をするからには、やはり身軽なほうが良いので、もう少し若くてスマートな役者の方が良かったかも知れない。

しかし、若すぎるとダメである。この主人公は、ほとんどの人間を騙す役なので、したたかな感じを持つ役者でないと難しい。ヒーロー役をこなす役者は多いが、騙しあいを上手く演じる役者は少ない。

マイケル・ダグラスは、したたかだが激情を爆発させるイメージがある。アントニオ・バンデラスとハリソン・フォードはユーモアを持った冒険野郎だが、騙すのが得意には見えない。ブラッド・ピットも、トム・クルーズも、自分がハメられてから脱出するほうがイメージに合っている。シュワルツネッガーなどは体力勝負で全く合わない。

ジョージ・クルーニーは、最近のオーシャンズシリーズの関係で、イメージが騙しの専門家の方向に向かっている。この作品のイメージにも近いものがあるが、やはり騙されそうな気もする。

ジョン・トラボルタも騙しが得意そうだが、肥満体が災いして、ワイヤーにぶら下がることができそうにない。

騙しあい以外にも、キャサリン・ゼダ・ジョーンズが体をくねらせてセンサーをかいくぐるシーンもセクシーで良かったし、結局はハッピーエンドに終わるところも、観客受けする場面であった。主演の二人の持つ魅力が、作品の印象を随分良くしていた。

2000年問題を題材にして、娯楽作品をリアルに作ったアイディアには脱帽する。

ラストシーンの、誰も客がいない駅は不自然だった。客をFBIが止めていたという設定だったが、静かさに気づいた主人公達に逃げられてしまうはずである。せめて夜に撮影すれば良くなかっただろうか?最後が夜明けだと、きっと雰囲気がさらに良かったような気がする。

 

 

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