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2008年11月 2日

リオ・グランデの砦(1950)

- 脇役が活躍しすぎ -

南北戦争時代にジョン・ウェインはモーリン・オハラの農園を焼き討ちしたが、二人の間には息子が一人いて、今は西部でインディアン相手に戦う父の部隊に入隊することになる。

その頃、インディアン達はメキシコ領内を拠点にして、アメリカ側を襲っては国境の向こうに逃げこむため、ウェイン達は効果的な対策をとれないでいた。今日も捕虜を捕まえて来たが、大群で襲ってきて、まんまと逃げられてしまった。

モーリン・オハラは息子を連れ戻しに砦にやってくるが、息子は除隊するつもりはなく、彼女も砦に残ることになる。

国境を越えてインディアン達をたたこうと考えたウェイン達だったが、それは軍の上層部の命令に反しているので、裁判が待っていると思われる。さらに、戦いの前に婦女子を別の砦に移送しようとするが、逆にそこを襲われ、子供達が人質になってしまう最悪の結果。

ウェイン達はインディアン達がこもる集落に侵入し、子供達を救出しようと考える。しかし、作戦の中、ウェインは重症を負ってしまう・・・・。

・・・この作品の解説を見ていたら、この作品は「静かなる男」の製作に協力させたいプロデューサーを納得させるために作ったんだとか。ついでに作ったにしては大変な力作だが、言われてみればロケ地は意外に狭い範囲に止まっているかも知れない。

ジョン・ウェインが人間臭い男を演じている。この辺の演出が細かい。

息子が入隊すると、気になってしょうがないので、こっそり部屋を覗いたりしている。子供と自分の背丈の差を気にする仕草も笑えた。質の高い笑いで、昔の映画の良さを感じた。今やると、ちょっとクサイ。

会話にユーモアがある。常連の軍曹役の俳優が面白い。いつも同じキャラクターを演じている。決まって酔っ払いで、新兵の訓練をさせると上手い。頭も体も大きくて、がっしりした体格。

解らないのは、若い俳優の扱いが大きくて、バランスがおかしくなっていることだ。新兵の中にいつも楊枝をくわえて生意気なことを言う男、それと殺人者で追われているのに戦場では活躍する男の二人は、本来から言えば目立ちすぎている。話に彩りを与えるだけにしては、ちょっと登場時間や活躍ぶりが目立つ。監督の意図を測りかねた。

ジョン・ウェインとモーリン・オハラの息子役の俳優は、小鹿物語の少年だった男だが、彼の場合は目立たないといけない。結構辛い目にも合わないと意味がない。この点は適切だったのに、なぜ仲間まで目立たせる必要があったのか?

監督の周りには、一種の軍団が出来上がっているので、いつも同じ役柄を演じる軍曹タイプなどは、他の役をやれない。軍団員を喰わせるためには、必要以上に活躍して撮影現場に長く居れるようにしたのかも。

風景は素晴らしい。雰囲気を上げるのに、景色は有効だ。このへんに、いちはやく気がついて背景を大事にしたから、作品の質が高いと評価されたのだろう。

インディアンが白人の子供をさらっていたが、実際にはどうだろうか?逆は多かったような気がするが、誇り高き彼らから言えば、人質を取るのは趣味ではないし、戦術的にも効果的とは考えなかったような気もする。

戦いから帰ってきた兵士を、砦の女達と子供が迎えるシーンは、安否を案じる心情が出る優れたシーンだった。こんな小細工めいたシーンが、結構全体の雰囲気を作るためには重要であるようだ。あんまりクドクそればかり写すと回りくどい、テンポの遅い作品になってしまうが、ジョン・フォード作品のそれは実に絶妙で、古い作品の割にテンポで笑えない。

そこいらが、並みの監督と違うところだろうか。

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