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2008年10月20日

リオ・ブラボー(1959)

- ジョンの時代は良かった -

ハワード・ホークス監督作品。

老いたジョン・ウェインは、町の人達から恐れられると同時に、親しまれてきた名物保安官である。かっては腕の良い助手だったアル中のディーン・マーティン、浮浪者みたいな爺さんのウオルター・ブレナンなどとも良い関係を保っていた。

ジョン・ウェインが悪党一味の一人を逮捕したので、悪党の兄達が彼を奪いにやってくる。敵は大勢。片や、こちらは酔っ払いと爺さんしか味方がいない。怖がった街の人は静観の構え。

とうとう敵がやってくる。ディーン・マーティンは敵に捕らえられ、ますます形勢は不利。捕虜の交換ということで、話をつけるしかない。

敵と交渉中のジョン・ウェインの背後に、こっそり敵の仲間が忍び寄る。このままでは騙まし討ちで映画が終わってしまう・・・。

運よく危機を脱した一行は、ついに敵と正面きって戦う。激しい銃撃戦になるが、そこで爺さんが意外な活躍をするとは・・・!

サブキャラには念が入っていた。まず、得意の歌を封印したディーン・マーティン。精神的に参った酔っ払いで、充分な戦力にならないかも知れない、簡単に捕虜になって足手まといになってしまうなど、個性的なキャラクターをタレ眼で演じて存在感があった。

ついで、これまた頼りないおじいさん。かっては個性的な悪役で名をはせたウォルター・ブレナン。ダイナマイトを投げて敵を威嚇し、結果的には彼の力で悪党どもは降参するに至る。ジョン・ウェインよりも実は強かった。

そしてもうひとり、若いくせに大事なところで主人公を救い、歌も披露し、これ以上ないような美味しい役を演じていながら、なぜか大スターにはなれなかったリッキー・ネルソン。ちょっとハンサムすぎたためか?迫力がないので、役柄に合っていない。ヒゲをはやしていたら良かったかも。

脇役の比重が大きかった。主役が体力の低下のために充分な働きが期待できないと判断されたためか?あんなに動きが遅ければ、銃を抜く間もなく撃ち殺されてしまいそう。やっぱり早撃ちでケリをつけたい相手には分が悪そう。そんな部分は、若手がカバーしないといけない。

大スターは、存在感で勝負すれば良いのだ。

圧倒的な戦力を持つ敵に対して、どのような対応をするかを描いた作品は多い。「真昼の決闘」の主人公は、応援を街の人に依頼したものの、断られて一人で戦うことになった。「荒野の決闘」では、強力な助っ人がいたので優勢に戦いを進めることができた。

タフガイとして行動しろというのが、この作品の理想らしい。でも、この主人公に誰も協力してくれる人がいなかったら、どうなったろうか?やはり、あっさり騙まし討ちに合う可能性が高い。そうならないように、日頃から`付け届け’を欠かさないようにするのが日本の知恵だが、日頃の恩を忘れるやつが多いのも世の常でもある。

また、今日では大分県の教員採用の問題のように、付け届けが急にクローズアップされて問題視されかねない。

もしダイナマイトが都合よく手に入らなくて、逆に敵のものだったら・・。もうそれは、絶対に勝ち目はない。映画のストーリーががらっと変って、悲劇の物語にならざるを得ない。

ディーン・マーティンのように更正してくれず、そのまま通り魔になるやつのほうが多い気さえする。どうやって生きていくか、タフガイも難しい時代になったのだ。

ジョン・ウェインの時代は良かった。

 

 

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