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2008年7月 4日

幸せのレシピ(2007)

- バランスがいい  -

いい映画だった。本当の玄人が作るような、バランスの良さを感じた。

ドイツ映画のリメイクだそうだが、オリジナルと言ってもいいような自然な演出で、斬新とは言えないストーリーにもかかわらず、満足できた。

主役のキャサリン・ゼタ・ジョーンズは、今回の映画のアップの画面を見ると、さすがに年齢を感じた。もう何人かの子供の母親だから当然だが、今回の作品は濃い化粧をする女の役ではなかったことも関係しているのかも。でも美しいし、好演だったと思う。

アーロン・エッカートはいい俳優だ。役柄によっては気性の激しい刑事もこなすし、今回は陽気なナイスガイを演じて、はまっていた。ラブストーリーには向かないような顔だが、今回の配役は成功していたと思う。主演より目立たないように、バランスも考えてあったに違いない。

キャリアを重視する人は、男女を問わず人間的に欠陥のようなものが生じてしまいがち。私自身がそうだ。と言っても、医学部教授を目差したりしたことはないが、日々の勉強や仕事なんかにかまけて、近所付き合いは全くやっていない。友人達も勤務医で疲弊しているから、ウサ晴らしの飲み会に誘うのも遠慮が働く。子供とも充分遊んでやってるとは言えない。

その偏屈な自分が評価するのだから、あんまり当てにならないが、とにかく万事が自然に描かれていた。

前半の主人公は仕事場で何事にもクールかつ厳しく接し、妥協を許さない堅物みたいな描き方をされていたが、私には素晴らしい料理人として写った。

料理は気合をこめて作らないと、客を満足させない可能性があるし、稀にではあるが人を病気にしてしまう可能性もある。衛生面には細心の注意を払い、妥協してはいけない。

それに、客の満足を得ようと考えるなら、異常者に近いくらいのこだわりが必要である。同僚と仲良くやることを優先していたら、客は二の次になってしまう。極端な話、客のためには同僚が死ぬことも厭わないくらいの意気込みが必要ではないか?

ただし、意気込みも過剰では良くない。自分の家庭も壊れてしまいがちになる。医者仲間でも、熱心な先生はよく離婚している。奥さんが我慢強いか依存度が低い人でないと長持ちしない。

要はメリハリのある態度を作れるかどうかなんだろうが、これが難しい。精一杯頑張らざるを得ないことも多いので・・。登場人物のように、余裕のある生き方をしたいもんだ。

 

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