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2008年7月12日

アイ・アム・レジェンド(2007)

- アイ・ロボットとセットで見て -

この映画は、年末公開作品としては記録的なヒットをとばしたそうな。理解できないが・・。

冒頭のシーンは、どうやって撮影したのか知らないが、誰もいないニューヨークの町を撮影してあって、素晴らしい迫力があった。おそらくはセットも大がかりに作り、草などはCGで合成したりする技術によるのだろうが、人がいない町をシカの群が走り回るのは、ある意味では気味の悪いシーンだった。

このシーンの映像が見事だった関係で、話に引き込まれる効果があったように感じた。途中から出てくるウイルス感染して凶暴になった人間達は、明らかに真実味がないCGの産物だったので、せめて舞台の真実味が必要だった。

それにしても感染者はひどかった。動きがちょうどアイ・ロボットのロボット達と同じだったが、ウイル・スミスが両方とも主演しているからって、同じ動きはマズイ。実写を多用したほうがよかったのではないか?もちろんバイオハザードのようなゾンビ姿を真似てしまったら最悪だが、ちょっと弱々しく悲しげな感染者だったら、かえって迫力が出たのではないか?

観客の対象をどこに置こうと考えていたのだろうか?

子供だろうか?それならヒーローは大活躍して助かる結末が必要である。基本的に子供に悲劇は合わない。

若い恋人達が観る映画として作ったのだろうか?少なくとも恋が結末に関係するストーリーではなかったが・・。おそらく一回見れば充分で、長く話題にのぼることは期待できないだろう。

家族を対象にしていたのだろうか?家族の愛情は作品の基調にあった。どうやら家族はヘリが墜落して死んでしまったようだったが、はっきり悲劇の場面を見せない配慮をしてあって、確かに考えてはあったようだが、実際に家庭のビデオでこの作品を見たいと考えるだろうか?

気味の悪いシーンが多ければ、小さい子供のことを考えて見せない親が多いと考えるが。

最近の映画に共通する技術の素晴らしさ、アイディアの豊かさと、幼稚な部分、アイディア倒れに近い部分を感じる。せっかくの作品を、使い捨ての一時の話題作だと諦めて作っているのか?単なるゲームくらいの感覚なのか?

うがった見方をすれば、人がいなくなって静まりかえったニューヨークの町を撮りたいというアイディアがあって、そのためだけに作品を作ったのではないか?ドラマは単なる添え物?水道や電気がある、なんでだ?自家発電に自家浄水機能?犬が風呂に入るほどなんて、いったいどうやって可能なのだ?真実味を狙っているのか、いないのか?

路線を全く変えて、もし感染者が肉を欲しがる自分の運命を呪い、泣きながら人を襲っていたら、どうなっただろうか?きっと感染することの悲劇をもっと表現できていたと思う。小さい子供は見れない作品になってしまうが、バイオハザードシリーズだって多少は似たようなものだ。受けないとも限らない。

この作品の路線でも、多くの親は子供にこの作品を見せたくはないと判断する可能性が高いくらいなので、中途半端な路線を狙わず、いっそ子供を対象から外して見るべきではなかったかと思う。もしくは完全に子供向きにすべきだった。

ヒーローは最後に感染者の親玉にワクチンを接種する、「ギャー、ウギャー」と七転八倒して苦しむ親玉。そして次のシーンでは感染者の表情が人間らしくなって、こうして人類は救われた・・なんてストーリーでもいい。

もちろん家族は生きていないといけない。どこかの町の砦の中で、今にもゾンビに食われそうなところを、ヒーローが登場してクスリをばら撒くと、あら不思議!いきなりゾンビが普通の人間に戻る。家族と再会した父親は固く抱きしめてラスト。

途中でゾンビのダンスシーンがあったら、もっといいかも。

とにかくヒットしたらしいので、この企画は成功であり、私の提案は間違いということになる。でも理解できない。

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