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2008年7月22日

地下鉄(メトロ)に乗って(2006)

- 完成度は低いが・・ -

サラリーマンの主人公が地下鉄構内で迷い込んだタイムトラベルの物語。主人公の父親は、財界の大物でかなりアクドイことをやったあげく、悪事を追求されているらしい。家族はバラバラで、主人公も父親を嫌悪して、ずっと会っていない。

主人公の生活も荒れていて、妻とは離婚し、しょぼい営業活動をやってる様子。兄が交通事故で亡くなっているが、これは父親の態度のせいだと主人公は思っている。こういった破滅しかかった家族の関係の真実が、迷い込んだタイムトラベルの中で徐々に明らかになっていく。

この作品はテレビで観た。原作者は浅田次郎で、たぶんベストセラーになったと思う。映画の中で喫茶店の客として、浅田らしい人物がボーッと座っていたが、映画の現場では結構こんなエキストラが出演している例が多い。

しかし、浅田は何の演技もしていなかった。せめて本を読むかお茶を飲むくらいはしないと微妙に雰囲気に関係してくる。現場が馴れ合いのために、だらけていたことを意味するのかも知れない。普通なら、「お茶を飲んでください。」くらい、注意しそうなものだ。

この映画は、ドラマの内容、ストーリーは非常に盛り上がっていたが、私は盛り下がって途中で観るのを止めてしまった。主に大沢たかおの演技が嫌になったからだと思う。その他には、頻繁に現在と過去を行き来する構成に違和感を感じたからであろうか?

大沢はスマートな青年だが、裏の世界でのしていくような迫力が感じられなかった。眼の力がないというか、ドスが効かない。ミスキャストだったと思う。セリフの読み方、声色も若くさわやかな父親くらいの感じしかしなかった。

これに対して、共演していた他の俳優は、それぞれの味を出していた。大沢だけがネックであった気がする。

場面の切り替えが多かったのは、原作がそうだったからなのだろうか?

過去に戻るのは1~2回に止めるべきであった。いちいち過去のいろんな場面に立ち会う必要はなく、セリフなんかで説明させればいいのである。兄弟の長兄が死ぬ場面は、完全に無駄だった。それに、地下の線路を写すシーンで、観客にどんな心象があるかくらいは監督や編集者が解らないといけない。主人公の心象と、ストーリーがマッチしていなかった。

この作品は、完成度が低い。でも、だからこそ子供や昼メロが好きな人には向く。若い恋人が観ると、意外なほどに心に染み入って、盛り上るかも知れない。

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