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2008年7月30日

ET(1982)

Et  - 傑作だったなあ。-

映画を観た後に、友人と「なんだか、あの自転車が欲しくならない?」と、話したのを覚えている。もしかして、自転車メーカーが協賛していなかったか?画面を駆け抜けて、パトカーの追跡をしのぐ場面を見ていたら、自然にマウンテンバイクに憧れてしまうようにできていた。

説明する必要もないほど有名な作品。地球外生命体ETが取り残されたロサンゼルス近郊の町で、ある少年と心を通じ合わせる物語。ETは、どうやら植物を採取していて帰艦が遅れ、取り残された様子。ETを探す科学者達との攻防や、ETの不思議な能力によって起こる奇跡、少年達の感動や心の成長が美しいファンタジーを作り出していた。

ETは生命の危機に陥る。なぜかは解らない。ベッドを抜け出して、小川のほとりで倒れているところを発見する。心臓が止まりそうだ。科学者達がやってきて、冷凍保存して解剖されてしまうだろう。そんなの嫌だと、少年は思うが・・・。

主人公の少年は、普通の子役よりも表情に暗さが目立ち、あんまりカワイイという感じがなかった。これは役柄が多少ひねた設定であった関係であろう。きっとしっかり演技していたに違いない。妹役のドリュー・バリモアはその後もスターであるが、この男の子のほうは、今は脇役に回っているようだ。子役のほとんどがそうだが、小さい時に注目をあつめることが、精神にどんな影響があるのか興味がある。

日本の「けんちゃん、ちゃこちゃん」シリーズのけんちゃんは、犯罪に手を貸してしまったようだが、世間知らずになりやすいから、利用され、転落してしまう例は多い。

ETの能力は、たいしたものではなかった。今ならもっと凄いCG映像ができるだろう。しかし、ちょっと自転車を浮かせるだけで、始めて見た時は感動した。その前後のカーチェイスや、話の流れがあったからだろう。

捕まえようとする大人たちエキストラの目線が、ちゃんと子供達に向いていない。合成の段階まで考えて目線を指導していないからだ。このような初歩的なミスがあるのだが、許せる気がする。下の場面がそうだ。

Et2

主人公の母親は離婚して、パートか何かをしながら兄弟3人を養っている。離婚は子供にとっては精神的な抑制を何かしら与えずにはおれない。心から笑う、愛情に満たされるという感覚に、ちょっとした陰りを感じざるを得ない。その心のちょっとした陰りの表現が良かった。

そんな状況設定があったから、ETを単なる奇妙な生物ではなく、心からの友達として受け入れそうな感じをスムーズに理解できた。舞台設定や、子供同士の会話などが自然だったからできたことだろう。主人公の兄達がゲームをしながら話す場面の自然さは、他のどの映画より優れていたように思った。

しかし私の子供達は残念ながら、前置きが長すぎたためか退屈してしまったようで、意外にこの作品を観て感動してくれなかった。早い段階でETが登場して、爆発や超能力を次々と見せてくれないと関心を維持できないようであった。小さい子には向かない描き方なのかも知れない。

途中からETと主人公は、同じように感じ、同じように病気になるという設定であることが解ったが、この設定が必要であったのかは解らない。また、描き方も適切ではなかったような気がする。中途半端に終わった感がある。

印象的なシーンが多かった。

Et3

ETを探す懐中電灯の光が交錯するシーン、ETと少年達が空に舞い上がり月を背景に飛ぶ場面、造成地の中をマウンテンバイクで逃げるシーン、ETと主人公の妹が始めて顔を合わせて叫ぶシーン、ETを捕獲しようとして白い宇宙服みたいな衣装をまとった大人達が現れる場面、ラストでETの乗った宇宙船の軌跡が虹に変るシャレたシーンなど、本当に多かった。

製作者達の才気を感じ取ることができて、充分に満足した。観た後にすがすがしい気持ちになった。

今観るとしたら、小さい子は先ほど述べた理由で何かをさせながらのながら見がいいかも知れない。中学生くらいになったら、多分大人と同じように感じ取れることだろう。恋人と見る作品としても悪くないと思える。

 

 

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