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2008年6月10日

ビフォア・サンライズ(1995)

- デート会話の手本 -

この作品の邦題は、「恋人達のディスタンス」だったと思うが、そのまま原題通り、「夜明けまで」でも良かったのではないかと思う。

この映画の中の二人の会話が素晴らしかった。憧れてしまった。あんなふうに話せば良かったんだ・・。

デートの時に、どんな話をしたら良いのか、自分にはとうとう解らなかった。私の場合は、たいていドキドキしすぎて、声もうわずって自分でも何を言っているのか解らないようになってしまった。長続きしなかったことは私のせいではなく、このように心神喪失状態だったからであると言い訳しても、結局は私のせいか?

とにかく、この二人の会話と、話の間に頻回に黙る、その間が何とも言えず良かった。あの間は、やはり「触れたい、キスしたい。」という感情があるから発生するような気がする。学生時代、全く魅力のカケラも感じない女の子には、よどみなく話して間に気づく間もないというか、何の感情もなく話してしまったのは、欲情が働かなかったからだろう。

これに対して、ちょっとでもナニしたいという思いがある子には、もうダメである。のどが渇いて、変な引きつった笑いがうかび、くだらないギャグをかましてウケを狙おうとしてしまう。そんな自分に気がついて自己嫌悪になりながら、また女の子に笑顔を向けないといけないもんだから頭の中は忙しい。デートは難しいのである。

この二人のデートは実に自然だった。特に女の子の仕草や表情は完璧だった。

雑誌に載っていた当てにならない分析だが、女の子が頻繁に髪の毛に手をやる、口に手をやる時は、OKのサインだって。この映画で、彼女は頻繁に髪の毛をいじっていた。雑誌のとおり! しまった、今思えば、私が「こいつ頭かゆいのかな?不潔やね~。」と感じたのは、OKのサインだったんだ!ああ、なんて鈍い私。

この女優さんは、女優らしい女優だった。たぶんテレビなどの経験がある人か?大声を張り上げて舞台で活躍するタイプではなく、自然さを保ってさりげなく演じることに長けている感じがした。アクション映画などに登場しても目立たないのでは?それこそ、日本の観光地に一人でやってきて、道を尋ねてもおかしくない感じがする。

似たような娘と話したことがある。キャッシュカードの使える場所が解らないという訴えで、そこに言葉がわかる人間が私しかいなかったので銀行まで送っていったのであるが、小柄でかわいい女性だった。あのての娘は、汚れてもいいように黒っぽいジーンズ生地のスカートをはく傾向がある。この映画でもそうだった。

さりげなく(自分ではさりげなくと思ったが・・)手は握ったが、残念ながら映画のようにキスしたりはできなかった。握った時の私の手が、緊張と欲望で汗びっしょりだったから、私の心の中の野心を感じ取られたのかも知れない。

もしかすると映画のように秘密を質問しあう展開に持っていけば良かったかも知れないが、当時はこのテクニックを知らなかった。ちきしょー。肌の感触は日本人と変らなく、軟らかくてすべすべしていた。そうさ、オイラは、あの手だけで我慢しよう。

それに雑誌や映画のテクニックにおぼれるのは良くない。いろいろ試してみたが、うまくいった試しはないから。

主演のイーサン・ホークも良かった。雰囲気が良い。あまりに男前だと女性がウットリ見る分にはいいが、自然さに欠けてくる傾向がある。ロマンティック・コメディの雄、ヒュー・グラントだと、もうちょっと笑いのエピソードが加わって来ないとおかしくなる。イーサン・ホークだと青春のほろ苦さみたいなものが自然に伝わって、美しい話になってくる。

もしかして美男俳優が主演していたら、興行的にはもっと成功していたかも知れない。多少の演技力不足は、きっと顔でカバーされて、美しい悲恋物語として、それはそれで良い効果があったかも知れない。特に女性にとっては、ヨン様みたいなのが演じた方が良かったように思う。「あたしも旅をしようかな?」という気にさせる効果があったかも知れない。

この映画は、家族や恋人と見て良いと思う。特に若い人は必見かも。私も若いうちに観ていたら・・・。

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