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2008年5月 1日

300(2007)

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- \300 -

アメリカのグラフィックノベルの雰囲気を忠実に出そうとしていた印象。成功していたのではないか?ちょっとグロテスクで品がないが、ある種独特のカッコ付けと、そのままマンガのカットになりそうなストップモーションを連続させた映像は、ある見方では最高に美しく、独特の美学にこだわった完成度を持っていたと思う。

主演のレオニダス王の役の場合、演技はほとんど必要なかったかも知れない。険しい表情の場面がほとんどで、演技なんぞしている暇もないほどだった。王妃役と悪役達には演技が必要だった。そつなくこなしていたと思う。

しかし、裏切ってペルシアの金貨をもらった男が、常時それを持ち歩くか?普通なら家にしまっておくだろうに・・。ジャラジャラと都合よく金貨が落ちて、「こいつは裏切り者だ!」なんて、ちょっと子供じみたシーンだった。やっぱマンガだからか・・。

映像の技術は素晴らしかった。「ロード・オブ・ザ・リング」と共通するスタッフが担当したのか?肉の質感、気持ち悪いメーキャップ、血しぶきの飛び方、そして今回はアニメチックな色彩が特徴的だったが、映画館で観たら気持ち悪くなったかもしれないほど、気味の悪さを出していた。

剣劇のレベルも確実に上がっている。香港映画やチャンバラ映画と比べて、ハリウッド映画の剣劇は幼稚だったが、おそらく香港の映画スタッフの技術指導の効果だろう、流れるがごとき斬り合いができていた。

こんな映画を観る時は、ビデオが一番安全である。

リアルすぎて気持ち悪くなったら、せっかく金を払って、なんで気味の悪い思いをしなきゃいけないのか?と反省する。戦闘シーンばっかりで内容がなかったら、なんでチャンチャンバラバラを延々見なきゃいけないのかと情けなくなってくる。ビデオなら300円くらいなので、途中で止めても諦めがつく。

300円。そう、この映画のタイトルの300には、実はそんな意味があるのだ!したがって、タイトルは正確には「\300」である。

完成度は高く技術的には凄いが、所詮は2級品の内容なので、マカロニ・ウエスタンを見るときと同じ感覚で見れば良いのではないか。

子供には、できればこんな映画ではなく、ジブリかディズニーを見せたい。

ペルシアの王が、敵の目の前にノコノコ登場してお話をしていたが、そんなの普通はありえない。直接話さないのが一般的で、互いに使節を送りあって交渉し、厳重に監視された状況で、両軍の中間地点に護衛の兵士といっしょに登場するのが普通だろう。

狂信的なスパルタ人相手では、きっと自爆テロみたいなことをしてくることが予想されるので、けっして直接会ったりはできない。顔を見せること自体が自殺行為であろう。

で、また王様の格好は何なんだろう。アフリカ原住民くらいの描き方だった。もっとペルシア民族に敬意を払うべきである。当時の世界最高の文明を担っていた最強国家の王である。鼻輪はないだろう。事実に反するのでは?

どうもアフリカやアラブ諸国をイメージしている部分があるような気がする。実際にはスパルタを始めとしてギリシア諸国は奴隷制をひいていて、「自由のために!」というのは奴隷の自由を無視して自分らの自由をという意味に他ならないのである。

もしかしてペルシアは、ギリシアの奴隷達にとっては解放者だったのかも。

ギリシア人が本当は何と叫んで戦ったか知らないが、本当に「自由を!」と言ったのだろうか?単に自分達が奴隷になるのは嫌だ!くらいではないか?侵略を図ろうとした国は、常に自由や開放を旗印にする。スパルタ(アメリカ?)こそ恐るべし。

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