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2008年5月31日

地上最大のショウ(1952)

Photo_2 - 価値ある作品だと思うが   -

自分にとっては想い出の作品。映画の醍醐味を味わえる大作映画のひとつ。

どのような想い出かというと、テレビで放映される時に、ひと休みして寝てしまって見逃してしまったという大悲劇。当時は夜9時くらいになると眠くて眠くて・・・。

ビデオやDVDなんぞという便利なものができるとは思っていなかったので、これでもう一生この映画は見れない、起こさなかった家族はヒトデナシだ、グレてやる~と真剣に思った・・というのはオーバーだが、それくらいの憧れがあった。

後年、部分的に紹介されているシーンを見たことがあるが、敵役に相当するセバスチャンが腕を隠していたコートを取られるシーンなどは、大作映画独特のもって回った表現方法と効果音であったことに感じ入っていた。

監督は大作ばっかり作るデ・ミル監督で、主演はチャールトン・ヘストン。したがって当然大作になるわけだ。ただし、今回の主役は得意の体力を見せるわけではなく、空中ブランコもしないので、いつものヒーローとはちょっと違う。その関係か、この映画は彼の代表作ではないようだ。一回だけワルのテキヤをぶん殴っていた。

チャールトン・ヘストンの出世作とも言える作品だが、彼は晩年はアルツハイマー病になったらしく、ライフル協会の会長のころにはマイケル・ムーアの映画でからかわれたりしたあげく、先日亡くなってしまった。人類代表のスターだった。

途中で本物のサーカスの映像が長々と繰り広げられる。このシーンを見るだけでも素晴らしい。巨大すぎるテントの中を、着飾った団員達が行進するだけでも、その様々な演出の紹介ぶりが丁寧で、記録映画としても価値がありそうである。記録の部分がちょっと異質なので、作品のまとまりはなくなってしまったが・・。

そういえば子供の頃、一人で道草していると、「早く帰らないと、ひとさらいが来てサーカスに売られるぞ!」と、よく言われたものだが、最近はこのセリフの真実味が薄れて、さっぱり聞かなくなった。たぶん、相当昔から使われた常套句だったらしい。

子供の頃は、「サーカスって、そんなに怖ろしいとこ?じゃあ見に行って、さらわれたらどうしよう?でも、団員としての人生も面白いんじゃないか?」などと、少し考えたもんだ。

まさか自分が医者になろうとは夢にも思わなかった。

医者というと、子供の頃は治療代をむしりとるヤブ医者のイメージしかなくて、軽蔑すべき対象だった。それよりも多少の辛いことは我慢して、美しいアクロバット娘と恋に落ちる人生のほうが夢があるのではないか?よっしゃあ、今のうちに懸垂でも練習しておこうか?なーんて、アホなことも考えていた。

今回、安売りのDVD500円なりを購入して、この映画を観たところ、子供の頃は天使に思えたベティ・ハットンが、意外にまのびしたと言ったら失礼だが、際立つ美人でないことに気がついた。美人で健康的ではあるが、今風ではない。どうも自分のイメージは、かなり美化されていたらしい。

それと、無理なくらいに黒人が登場しない。エキストラに至るまで、ほとんどが白人。しかも観客でヒスパニック系は少なそう。いるのかも知れないが写らない。多分、みな家でおとなしくして、メジャー人種たちからの迫害に耐えていたのか?ちょっと異様な感じがした。

実際のサーカスを始めて観たのは、大学生になってから。めったに田舎には来ないし、もちろん映画のように大がかりな団体は今までにもお目にかかったことがない。空中ブランコは迫力があった。遊園地が少なかった昔は、大変なイベントだったろうと思う。ディズニーランドが移動してくるような感覚だろうか。

その興奮を実にうまく映像化している。観客役の俳優達が実に何回も映し出されるが、これが効果的だった。観客の中にはビング・クロスビーとボブ・ホープも登場して、ポップコーンを食べていたように見えた。

ストーリーは単純で、キャラクターも単純明快、役割分担もはっきりしている。途中のサーカスの解説や記録映像がなければ、映画のストーリーは30分で終わってしまいそう。それを娯楽作品にするのは、やはり手腕と言うべきか。莫大な投資と力で魅せる、アメリカ型の作品である。チマチマしたドラマは必要ないという考え方か。

ラスト近くで急にミュージカル風になったり、ドキュメンタリー風になったり、一貫していないところは、ご愛嬌ではないか?

この作品は、かろうじて家族で観れると思う。しかし勧められない。CGがないので、子供達は退屈するし、ギャグも理解できないかもしれない。

恋人と観るのは悪くはないような気がするが、自分のイメージで美化され過ぎた作品なので、感動しない世代も多いかも知れない。古めかしさだけで敬遠されるかも。

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