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2008年3月11日

デジャブ(2006)

- ハル・ベリー出演? -

アイディアと、その表現方法、技術には素晴らしいものを感じた。しかし、アイディア倒れの感もある。俳優達の演技も、個性も良かったと思うが、いまひとつ評判にならなかったのは、やはり全体としてのバランスに問題があったためではないか?

時空のトンネルを見つけて、過去の現象を再現する、しかも視点を自由に変えられるというのは、すごいアイディアだった。「マトリックス」の頃から導入された視点が回転しながら動くことができる効果が、このアイディアの表現に役立っていた。うまく使われていたと思う。

カーアクションも織り込まれていた。これも、車が横にゴロゴロ回転しながらせまってくる映像が「バッドボーイズ」あたりからできるようになったためだろうが、この映画の場合は控えめな使われ方だった。必ずしも必須ではなかったような気がする。

ヒロインは美しくスタイルの良い女優だった。ハル・ベリーにそっくりで、白人らしき父親との親子関係には「おやっ?」と思ったが、充分に魅力的だった。

部屋を覗き見する感覚の映像に徹して演出されていれば自然だったはずだが、カメラ目線の映像が多かったので、リアルさが失われていたような気がする。音声などの要素をフルに使って、まるで部屋の中にいっしょにいるかのような感覚にさせるなら、ヒーローが彼女に恋する感覚も解りやすかったはず。

覗き見という感覚は、映画でやると凄い魅力になったはずである。特にセクシーな女優の場合は、「この後、観てはいけないシーンがあるのでは?」と、ついついワクワクするスケベどもも多いのではないか? 私は正直なところ、非常に期待してしまった。

そもそも時空を超えるというアイディアの使われ方に問題があった。過去の事象を映像に写すだけの技術があるなら当然録画もできるはずで、4日前の映像をゆっくり眺めるしかないという設定は、あきらかに無理を感じる。映画のためにわざわざ技術に制限を設けたのね、という不信感みたいな感情が起こってしまう。観客を感心させないと話にならない。

録画は当然できる。しかし、解析に時間がかかるという設定がよかったのではないか。「今のシーンを、もっと右の角度から見せろ!」「えーーっ!半日かかるよお。」「構わん!つべこべ言わないで、やれ!」なんてセリフが良かったのでは?それでも、若干の無理はあるが・・・。

したがって、時空を超えて何かを送ったりする話は止めて、衛星からの情報に記録された過去の映像から、過去の行動を探索するという程度の話に止めておくほうが良かったのでは?過去の映像の彼女に恋するのでは盛り上らないかも知れないが、荒唐無稽な話にするよりはマシだと思う。復讐劇にしぼるべきだった。

もう少しで心に残る傑作になっていたような気がするのに残念。

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