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2008年3月23日

ボーン・スプレマシー(2004)

- 演出の勝利  -

監督やカメラマンの技術が素晴らしいのか、頭がいいのか解らないが、カメラの位置、撮影の基本的な考え方が非常に適切だった印象を受けた。

特に驚いたのが、マット・デイモンが運転する車の横っ腹に、パトカーの一台がぶつかったシーン。珍しい映像だと思う。

デイモンが認識していない車の側面から車が飛び出して来るため、視線が前を向いていて横から来る車の方を向いていない。これはよく考えてあった。普通は、向かってくる車を見て「ウワー」などという表情を見せて観客を楽しませるのに、この作品ではリアルに衝突を見せることを狙っていた。

車がスピンするシーンでは、頻回にアクセルやブレーキ操作を見せて、まるで自分が運転しているような気分にさせることを考えていた様子。これも非常に適切だった。あんまり他の映画がまねてしまうとおかしくなるが、この映画だけなら充分に表現力がある。

もしかすると、アクセルとブレーキペダルだけではなく、腕でギアをガチャガチャやっている様子と、メーター、ギアの表示など、我々が実際に運転中に確認しそうな機器のカット、それに加速度を表わす回りの風景を写すこと、そして横にGがかかって視野が横に動くことを実際にカメラを横に動かすことで表現できるのではないだろうか?

きっとカメラを固定したり、手持ちにしたり上手くやれれば、さらに迫力がでると思う。

運転の実感を出すのは、監督かカメラマンのいずれのアイディアかは知らないが、実に適切な判断だったと思う。

マット・デイモンは、ごつい俳優ではない。アクションをこなすのを見ていると、若いだけに動きは俊敏だが、パワーは感じられない。したがって、旧来のアクションスターとは印象が異なる。

シリーズは現時点で三作作られているが、彼の魅力だけでヒットしているとは思えない。製作者の適切な描き方や、脇役達の魅力で成り立っているような気がする。設定は昔から繰り返し使われたもので新しい点はない。組織の殺し屋が迫ってくるのは、よくある話である。

切り抜け方がうまく描かれていると思う。政府組織の怖さの表現も上手い。本当の話のように捜査官達が対立し険しい表情を見せるので、非常に臨場感がある。

こういった臨場感が作品の出来の決め手になっているのでは?これならマッチョな俳優が一人で敵をぶん殴って解決しなくても、物語が成立しそうである。よくできたシリーズで、もはやボーン君はジェームズ・ボンドより強そうな気がする。

この作品は、子供に勧められる映画ではないが、まあ家族で楽しめるのではないか?恋人と見るのは今のところ、お勧め。まだ、手法が新しいと思えるから。

 

 

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