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2008年3月31日

コットンクラブ(1985)

- 映画的な映画   -

冒頭のステージシーンは最高で、この映画の雰囲気をいっぺんに上げていた。踊り手の技術、編集の仕方、カメラワークなど、どれも素晴らしいレベル。この作品はステージシーンが多かったが、どれも高いレベルで華やかな感じが良く出ていた。ステージの上でのダンスは、もしかしたらクレージーホースなどに比べればショーとしての見栄えは劣るかも知れない。タップダンスに偏りすぎていた。でも、ミュージカルとしてのステージとしては最高のレベルではないか?

この作品の制作費はとんでもない金額にのぼったそうだが、確かに無駄に様々なステージシーンが多かったような気がする。普通なら制作費をケチって、同じステージを別の角度から撮って時間をつぶすようなテクニックが使われるはずだが、この作品では無駄を無駄と考えずに、ホンマモンの映像にこだわっていたように見えた。

一回のステージシーンのために幾多のリハーサルをこなしていたのだろう。そして実際に映像に残ったのは、各々ほんの1~2分くらいという作り方をすれば、確かに制作費が高騰しても不思議ではない。

しかし、それだけの価値はある映像だったと思う。CG合成の美しい映像を見ても面白い時はあるが、躍動するダンサーのナマの動きを見るほうが、なんだか豊かな気持ちになれる。CGだと、何かしら子供だましにかかったような、安っぽさを感じてしまうからか?

時代考証もかなりこだわってやっていたのかも知れない。当時を知る老人はいたはずだから、きっとかなり取材して本当の雰囲気を再現したのだろう。

本来の役柄名で出演している役もあったが、微妙に違う人を選んでいたような気がした。ラッキー・ルチアーノは顔がゆがんでたか解らなかった。チャップリン役やグロリア・スワンソン役は、あまり極端に似ていない人をわざと選んでたのかも知れない。雰囲気が大事な映画なので、ちょうど良かった。

相変わらずコッポラ監督作品のラブシーンは今ひとつの印象を受けた。作品の質から考えて、あまり艶めかしすぎるラブシーンは良くないと思うが、もう少し主演の二人が愛し合うシーンがあっても良かったのでは?キスシーンだけではちょっと・・。

ヒロインのダイアン・レインの登場の仕方にも疑問を抱いた。最初はリチャード・ギアの誘いでギャングのテーブルにやってきたが、その時はボスの周辺のギャング仲間は彼女を知らなさそうだった。つまり最初から情婦役ではなかったようだが、不必要な設定である。最初からボスの女で良い。

悪役のギャングの迫力が少し不足していた。ただ凶暴なだけでは主役の引き立て役にはなれない。ずる賢く、しつこい感じを演出すべきだった。少し頼りなげで、親分を長く続けられるようなタマには見えなかった。見るからに凶暴かつ狡猾な印象の俳優は選べなかったのだろうか?強い悪党と対決するから面白いんだと思うが・・。

この作品には原作がないのかも知れない。脚本家か監督のオリジナルのストーリーらしい。だとすると、映画用の話に何とでもできたはずである。俳優をイメージしながら役柄を変えることもできたと思う。

この作品は、やはり子供には向かない。殺人のシーンは結構激しく、リアルであった。恋人といっしょに見るのは悪くはないと思うが、年齢によるかも。今の若い人はタップダンスは笑ってしまうだけかも知れない。

イタリア系ギャングや黒人達が進出していく様子を、例えば最初やられていたラリー・フィッシュバーンがのし上がって店に来れるようになることで表現していた。いわばストリートギャングの先輩みたいなものだろうが、そのへんの表現も、この映画は結構やっていたらしい。もっと評価されていいような気がする。

 

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