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2008年2月20日

ダイ・ハード1(1988)

- マクレーンよりタフ。   - 

傑作だと思う。いろんな点で計算されていたと思うが、ヒットすべくしてヒットした優れた作品。しかし作っている最中は、スタッフや役者達はどんな作品になると思っていただろうか?

ブルース・ウイリスは「ブルームーン探偵社」で、主人公の相手役の中年男を演じていたが、おしゃべりばかりでアクションには全く向かないような印象しか受けなかった。この作品になぜ彼が選ばれたのか、映画を観終わるまで解らなかった。正直なところ冒頭の段階では、今回もギャグをかましながらグチたっぷりに逃げ回る役かと思っていた。ラストに向けてどんどんカッコよくなって行き、映画が終わる頃にはスーパーヒーローの仲間に入っていた。

この作品で彼のイメージは出来上がってしまった。ダイハードシリーズ以外の作品にも出演しているが、「フィフス・エレメント」「シン・シティ」などスーパーヒーロー役が多い。表情も同じ。昔のハードボイルドアクション映画の登場人物たちのように目を細め、タバコをふかし、電話か無線で敵を苛立たせるようなセリフをはく度胸満点のキャラクターである。いくらなんでもクサイ!

犯人たちも個性が出ていて演出が効いていた。おそらく念入りにキャラクター設定をやっていたはず。個性を描きながら、ストーリーが速やかに展開するようにするのは非常に難しいことだと思うのだが、この作品では何の問題もなくやれているのに驚く。

主犯のハンスはもちろん、ダンサーなのにクンフーも得意なゴドノフは相当に短気な様子。その兄で最初に殺されるオランダ出身の元テロリストは結構真面目で、手順をきっちり守るタイプ。仲間の一人で当時よく犯罪者役で登場していた東アジア系の男は銃撃のなかでもチャッカリ宝石をポケットに忍ばせてる。丁寧にエピソードを盛り込んでいた。

この辺はシリーズの他の作品にはない特徴。毎回犯人の手下を目立たせるのは得策でないと考えているのか?私は、犯人の中に喜劇的な人間や、一時的にせよ主人公をやりこめる能力の持ち主がいたほうが面白い気がするが・・。

もし、主演がもっとタフなイメージの俳優だったらどうなっていたろうか?シュワルツネッガーだったらユーモアも表現できるので適役だと思われたはずだが、彼だと完全に最初からヒーロー以外のなにものでもないので、犯人から逃げ回ることがおかしく感じられてしまう。最初の犯人との格闘も、あっさり終わって盛り上がらない。勝つのが当たり前すぎてダメである。

スタローンだったらどうだろうか?おそらく同じだろう。一方的にやっつけるようなイメージの俳優には、この役は向かない。しかし、それを映画を作っていく段階で、製作者の皆が全員一致で納得しておられるかどうかが問題である。「プロデューサーはああ言うけどさあ、俺はこの配役じゃ失敗すると思うんだよな~。」と、居酒屋でクダをまくスタッフも出そうな気がする。

シチュエーションも普通じゃなかった。のっぽビルをジャックしても出口があるはずはない。しかし、FBIを登場させて彼らが陥りそうなパターンの失敗をさせたことで犯人達に我々は感心してしまった。彼らなら確かに脱出できそうである。その犯人に立ち向かうヒーローには、さらに観客はシビレてしまう。うまくシビレの連鎖が出来上がってしまった。

恋人と観るのには、昔なら最高の映画だったかも。今でも初めて見る子には「結構昔の映画だけど・・。」と断ってからならイケルのではないか?

この作品は家族で観れる作品だと思うが、我が家の子供達は私が期待したほどは盛り上がっていなかった。子供への感情や、夫婦の危機と言った問題に直面していないからかもしれない。まったく幸せなやつらだ。私はダイハード以上にハードな夫婦の危機を日々乗り越えているのに。

 

 

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