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2008年1月16日

ダ・ヴィンチ・コード(2006)

- 求むマイケル・ダグラス -

小説は大評判でした。本屋さんに行くと入り口に高く積んであって、雑誌の批評でもさかんに取り上げられていました。医師会の先生達にも読んだ人がいて勧めていましたが、面倒くさいので今まで読んでいません。とにかく原作は相当な傑作だったようです。

映画のストーリー展開も複雑で、しかも結構リアルに描いてあって、ロマンを感じさせるものでした。本当じゃないかと考える人がいたらしいですが、説得力がありました。古代から受け継がれた秘密というだけで、荒唐無稽すぎて笑われてしまいそうになるところを止めているのは、設定が絶妙であるためでしょう。凄いアイディアでした。

この映画は、しかしなぜか傑作にはなっていなかったような気がします。なぜ?

配役にちょっと不満を感じました。主演のトム・ハンクスは、大学で教授をやってるよりも妖しげな研究で疑惑の目を向けられている変人のほうがしっくりくる印象がありました。いままで喜劇が多かったせいでしょう。

もういっぽうのオドレイ・トトゥは、我々には「アメリ」の印象しかありませんので、変な表情をしていたずらでもしてくるような気がして、これまた最後まで役柄と合っていないような気がしました。演技がどうのこうのという前の、我々の固定イメージのためにミスキャストになったのではないでしょうか?

ふたりのイメージがあまりに違うもので、ストーリー展開の面白さや、複雑なトリック~歴史の謎解きといった面白さが霞んでしまったような気がします。もうちょっと不幸そうな女優か、もしくは思い切り美しい女優で目を引くと、観客の共感を得たのではないかと思いますし、もうちょっと色男かタフガイの男優が登場していれば、冒険ものという期待感がたかまったのではないでしょうか。

そんなわけで、この映画は家族にも、恋人にも勧められません。マイケル・ダグラスかジョージ・クルーニー主演で作り直せば意外に凄い作品ができあがるかも知れませんが、このキャストでは無理でしょう。

カメラは適切だったのでしょうか?ルーブル美術館内部をよくNHKの番組で観ますが、重厚な色彩に写してくれます。実際も細かくで豪華な調度品や陳列物で感動しますが、カメラの表現力のせいで、実際以上の豪華さです。この映画では、NHKのカメラマンほどの表現力を感じることができませんでした。

主人公に身の危険がせまって恐怖を感じさせることを、いかにうまく表現できるかが映画の出来に直結していたはずです。冒頭の変死体や、体に自分でむちを打つ気味の悪いシーンが効果的でしたが、それ以外に背中が寒くなるような恐怖シーンが欲しかったと思いました。

 

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