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2008年1月 8日

RISE(2006)

- 腰が痛くなりそう  -

とにかく迫力のある映像でした。監督のデヴィッド・ラシャベルの才能、踊り手の技術、体力を感じました。

撮影の効果の上げ方も自然で、見事でした。特に最後に青空をバックにスローモーションで踊る場面は、映画のポスターにも使われていましたが、筋肉の動きがくっきりと見えて迫力がありました。

タイトルも、ダンサーの夢を集約していて秀逸でした。子供に見せてもいいとは思いますが、果たして楽しめるかどうか解りません。若い人が観るのはオススメです。恋人と観るのも面白いと思います。テーマがいいですし、迫力がありますから。

登場人物達が繰り返し述べていますが、ゲットーのような街で育った黒人は将来に希望を持つことが非常に難しく、ギャングの一員になるか、ヤク中になるかしかないのが現実だといいます。ほとんど全員が同じようにそう分析していますから、私が想像するよりずっと事態は深刻なんでしょう。私ならたぶん軍隊にいるしかないと考えるかなと思います。比較的まともな道で、少なくとも多少の誇りを持てますから。誇りは必要です。

ダンスで注目されると誇りを持てると思います。しかも、ダンスは興奮と快感を与えてくれる効果があります。アフリカの原住民の踊りと、彼らのクランプダンスをオーバーラップさせるシーンがありましたが、非常に似ているのに驚きます。DNAのレベルで踊りの仕方が規定されているかのようです。

ただ、このダンスは、体には良くないように思います。入念にストレッチをしても故障しやすいのではないでしょうか。もし関節を痛めたら、ダンサーは表現方法を失ってしまいます。その後、果たしてどうするでしょうか?ギャングに逆戻りでしょうか?

また、このダンスは踊っている人には感覚が解るのでしょうが、観ているだけの人には踊りの美しさが伝わりにくいと思います。ヒップ・ホップまでなら美しいという表現もありえますが、このダンスでは凄い、激しい、熱いという表現はあっても、美しい、優雅なという表現は適当でないと思います。そのため、メジャーであり続けることは難しいと思います。

実際に住んでないし、人種も違いますので本当に理解は難しいのでしょうが、生活レベルが低い家庭で育った子供は、よほど特殊な才能がない限りは学問やスポーツなどで身を立てる夢を持つことは難しいだろうと思います。才能がないんだから仕方ないと言うこともできますが、才能を伸ばせないほど生活に追われるのが現実でしょう。程度の差はありますが、日本も似たような状況はあります。

今でも田舎では才能を充分に伸ばすことは難しい傾向はあります。都会で、精神的に安定した状況で才能を伸ばせる子供に比べればハンデが多少あります。部落、あるいは朝鮮系の町では、何らかの足かせがあります。ひどい場合は、本人が一流スポーツ選手並みの才能があっても、家族や友人のからみで暴力団員にならざるをえないこともありえます。黒人街では、それが極端なんでしょう。

黒人街を一気に活性化させ、誰もがその才能を伸ばせる妙案はないと思います。根本的な解決は難しいので、ダンスやクラウンの活動は、若者の現状を緩和するという意味で評価できます。

 

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