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2007年12月31日

ペリカン文書(1993)

- 構想が見事  -

着想が素晴らしい作品でした。荒唐無稽にならず、かといってリアルになりすぎず、適度にエンターテインメントの範囲に収めているように感じました。

殺人のシーンが少々リアルなので、小さい子が観るのは勧められませんが、その他は一人で観ても、大人数で観ても充分楽しめるだろうと思います。ただし、アクションでわかせるタイプの映画ではないので、サスペンスの意味が分る一定の年齢以上でないと、興味を持てないかも知れません。

政府部内での立場がうまく整理されていました。FBI、CIA、ホワイトハウス、各々の思惑と各々の活動が、多少脚色づけはしてありましたが、リアルに描かれていたと思います。

実際の政権内で、どのように政策決定がされているのかには興味があります。

日本の場合はアメリカの要求か官僚の情報分析に応じてレールがしかれているようですが、アメリカは企業からの要請、圧力の要素が大きいのかも知れません。選挙の際に献金することで発言力を持つ軍需、エネルギー産業からの圧力で戦争をしかけることも実際にあるだろうと想像します。

米政府内で誰かが更迭されたり辞任したりする時に、政策の変更がされたようだと想像することはできますが、その時にどのような話がされて、大統領がどう判断しているのかは分りません。まさか、占いで決めたりしてないとは思いますが。

日本の場合は甘えの精神構造のためか、大学の派閥や天下りが蔓延していることなどの影響からか、司法も行政も財界も一体に近く、利害が一致するほうに談合して決める傾向がありますから、国益に反しても仲間うちで利害が一致すればいいやという、モラルに欠ける判断がされる可能性はあります。

アメリカも日本も政策決定の仕方には問題がありそうですが、公開度の点から言えば、中国などよりはマシなのかも知れません。

主人公のラストの笑顔が素敵でした。最近のジュリア・ロバーツは、やせすぎて貧相な感じがします。また、この作品では追われる恐怖感が出ていない印象を受けました。自分のすぐ横で人が死んだり、銃を持ったエージェントに追われれば、泣きそうな顔をするのが普通だと思います。勇敢すぎる気がします。

この作品は、脚本が良かったせいか、大物ではないとしてもオールスター出演の感があります。殺し屋役のスタンリー・トゥウィッチは、最近では喜劇が主体ですが、今回は意外な役柄で驚きました。編集長役のジョン・リスゴーは、「ガープの世界」でのオカマのプロフットボール選手役からは想像もつかない老けっぷりでした。「ゴースト」で主人公を裏切る友人役のトニー・ゴールドウィンが、今回も悪役をやってました。

デンゼル・ワシントン役は、本当に良い役でした。ちょっと格好良すぎと思います。普通なら、あっさりエージェントに殺されて、真実は闇に葬られそうです。

日本なら、新聞は発行できないかも知れません。記者や編集長が死なないまでも、自分の退職後のことを心配した上層部が勝手に矛を収めてしまうでしょう。記者は会社では左遷されますし、不当な処遇を訴えても、検察官も裁判官も政治家や企業の重役と友人ですから、本気でやってくれません。

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