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2007年12月16日

ウォール街(1987)

- ハゲタカの魅力が光る - 

古い映画になってきましたが、全体がまとまった良い作品だと思います。手に汗握るようなサスペンスタッチの盛り上がりがなかったのは残念ですが、それによって荒唐無稽な話にならないで済んだことで、かえって良かったのかも知れません。

この作品は家族で観てもしようがないタイプでしょう。オリバー・ストーン監督の作品は、子供には向かないようです。恋人と観るのはお勧めかも知れません。結局、主人公の恋は結ばれなかったのですが、途中の雰囲気は悪くありません。

マイケル・ダグラス演じる悪役ゲッコーの魅力が光りました。結果として、悪役が一番かっこよかったようです。私にはマネーゲームで多額の金を稼ぐ知り合いはいませんので、彼らがどんなことを考えているのか解りませんが、テレビでしばらく頻繁に登場していた村上ファンドの代表は、この映画の主人公を連想させる存在でした。

そう言えばいつだったか、証券会社のミスで1日で数十億円の収入を得た株屋が紹介されていましたが、インタビュアーが「人のミスに乗じてそんなに儲けて、やましい感覚はありませんか?」と尋ねたのに対して、「う~ん、先週も10億儲けたから、別にどうでもいいよ。」と答えていたので驚きました。本当の話か解りませんが・・・。

今は容疑者になってしまいましたが、村上被告は物言う株主で、珍しい存在でした。おそらく彼はこの映画を観たことがあったのではないかと想像します。主人公は、冷徹な計算をしながらも戦う姿勢を見せる人物でした。株主総会のような場面で、会社の代表と渡り合って講演する場面がありましたが、まさに村上被告チックな演説でした。じゃなくて、村上被告がゲッコーチックだったんでしょう。

私の目には、村上被告はカッコいいと映りましたが、皆さんはどうだったでしょうか?目立ちすぎたことと、実際に手際が悪いことがあったために墓穴を掘って逮捕されてしまいましたが、もう少し慎重にやれば今頃はもっと活躍できていたはずです。もしかすると、テレビ局関係者や、その友人達から検察サイドに圧力が加わって、隠然たる勢力に仕返しをくらったのかも知れません。

ハゲタカファンドのような乗っ取り屋への法的制限は、明確にすべきだと思います。この作品ではマイケル・ダグラスが航空会社を買い取って分割のうえで転売し、利益を上げようと画策しますが、会社の職員の雇用保護の為に、時間的、金額的な制限を明確にしておくべきでしょう。

経済活動は本来なら自由であるべきですが、被雇用者の保護が可能ならという条件は必要です。細かい規定を次々作るのが好きな官僚がいっぱいいるので、規制解除をせまるアメリカの圧力が強くなければハゲタカ撃退の規定も作れると思います。

主人公が窃盗まがいの手段で会社の情報を手に入れようとしましたが、なかなか現実には事務所に忍び込むことすら難しいでしょう。どんな手段で情報を入手するのか、私には皆目わかりませんが、ほとんどの場合はクチコミや内部からのリークによっているのではないでしょうか?

チャーリー・シーンの演技はイメージとよく合っていて、サマになっていました。恋人のダリル・ハンナは、人魚役の時も思いましたが、アップで見るとなんだか男性的な顔をしていて、スタイルはいいけど、私はちょっと引いてしまいたい気がしました。(そんなことだから富豪になれないんだ!)

スーパーマンで悪役を演じていたテレンス・スタンプが敵対する投資家として登場していました。懐かしい~!

チャーリー・シーンが自分の父親が勤める会社を守るために暗躍するシーンが、もう少し緊迫感を持って描かれれば、ゲッコーとの対決のドラマとして盛り上ってきたような気がします。ただ、それで拍手喝采になると安っぽくなるでしょう。そこを犠牲にしてリアルさを優先していたようです。

ラストの状況からいくと、この後証券取引委員会によってゲッコー氏への調査が始まるはずです。つまりチャーリー・シーンは小物に過ぎず、本当の狙いのゲッコーを挙げるために、司法取引で減刑となるだろうということになります。せめてもの救いでした。

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