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2007年12月14日

トロイのヘレン(1955)

- ハリウッド大作! -

これは本当に大作。懐かしい匂いがする。

主演の俳優達は全然知らない人達だけど、相当な金をかけて作っていることは解ります。イタリヤで撮影されたらしい。マカロニ・時代劇というジャンルはないと思うが、そんなところか。

今風の作品ではないようなんで、子供達に見せようとは思えない。恋人といっしょに観るのも、あんまり向かないような気がする。つまんないと感じる人が多いかも。

歴史に大筋で従ったストーリー。ヘレンがなぜトロイに行ったのか、本当のところは解らないけど、おそらくパリスにより略奪されたのかと想像する。当時なら、絶対にそっちのほうが多かったはず。でもロマンがあるのは、やはり不倫愛でしょーね。

しかし、それなら戦争に巻き込まれるトロイの市民がパリス達を追放していない理由が謎。意外にトロイは専制君主が治める国だったのか、ギリシヤに対する市民の敵対意識が強すぎて喝采を浴びたのか、とにかく解らない。今後も映画の題材になることだろう。

シュリーマンの伝記は、小学生の時に読んで「本当にこんな人がいたのか」と、感動した。そしてトロイの物語も読み、強いロマンを感じたもんです。東洋の島国の田舎の、そのまた山の中の村の少年でそうなのですから、西洋の人達の感じ方は相当に強いはず。ギリシャ、イタリヤを始めとして、EU諸国の人にとっては自分達のご先祖の話だから、我々にとってはスサノオノミコトの話みたいな感覚か?

この作品は最近のブラッド・ピットが出ていた「トロイ」よりも、レベル的には数段上のような気がする。戦闘のリアリティや船団のスケールなどの場面では劣るが、城を前にした戦いのシーンのエキストラの迫力や、懐かしいハリウッド的な会話の劇では、この1955年版のほうが優れていたのではないか。

剣での戦い方は、お粗末。最近の、例えば香港映画などの派手な殺陣と比べると、学芸会なみ。

パリス役はハンサムだが、際立つほどの魅力は感じません。 ブラッド・ピット版の「トロイ」も、色気不足のような気がする。演じていたオーランド・ブルームのファンには怒られるかも知れないけど、私なら主演がジュード・ロウのほうが眼の力のために印象に残るような気がする。ただ、彼はやせすぎだけど。

ヘレン役は美しい女優だが、これも色気は不足していたような気がする。なまめかしいグラマー女優か、もしくはキリッとした表情の清楚な美少女タイプの女優がたくさんいたはずだが、なぜこの人になったのか解らない。ちなみに主演の召使役がブリジッド・バルドーだったそうですが、そういえば魅力がチラッと出ていました。

トロイに来てからヘレンが苦悩するセリフをはいていましたが、演技として巧かったような印象はありません。顔が整いすぎて、表情が読みにくかったためかも知れない。ボロボロと涙を流していたらよかったのではないかと思ったくらい。黒髪の色っぽい女優だったら、悩み方も色気でごまかして魅力的になったかもしれないと思う。

思うに、日本の俳優達が大河ドラマに出た時も、型にはまった演技しかできないので、なにかわざとらしい印象があるのと似ているのかも知れない。演技に関して、このような歴史物の作品で感動すること自体が難しいのかも知れない。

正月に豊かな気持ちになりたい時期がある。そんな時には、子供の頃はタイミングよく歴史大作映画を観ることができた。「ベン・ハー」などが代表だが、この映画も、そんな作品のひとつにして良いかも。

 

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