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2007年11月28日

バニラ・スカイ(2001)

- アイディア倒れ   -

この作品は、スター達が共演していました。まず、主演のトム・クルーズは公開時期から言うと、 ミッション・インポッシブル2とマイノリティー・リポートの間に撮影していたと思われます。キャメロン・ディアスは同じくチャーリーズ・エンジェルとギャング・オブ・ニューヨークの間、ペネロペ・クルスはウーマン・オン・トップとコレリ大尉のマンドリンの間に当たるようです。それぞれのキャリアの絶頂の時期にあたるのではないでしょうか。

この作品のアイディアは良かったと思います。仮面も印象的でした。予備知識なしに観ると、途中まで心理劇なのかヒーローの逆転劇なのか、SFなのか分りません。主人公の幻覚か夢か、謎めいたシーンが繰り広げられますから、どうころぶか興味を抱きながら観ました。しかし、釘付けになるような演出はしていなかったようです。最初から、そのような路線を狙っていなかったのかも知れません。

監督の作品を検索してみましたが、この映画以外では「あの頃ペニーレインと」などを撮影しているようです。私は、もし自分がプロデューサーなら、二度とこの監督と仕事をさせたくないと思いました。この映画は、観客の嗜好を無視した作り方だと思います。せっかくスターを集めたのですし、受ける作り方を考えるべきではなかったかと思います。

リメイク作品なのだそうですが、ならなおさら別な作り方があったはずです。

この映画は子供にも恋人にも見せない方が良いと思います。ペネロペ・クルスのキャラクターは唯一救われるような材料ですが、その他の人物は非常に魅力的とは言えない様に思いますし、テーマが曖昧ですから、「人間愛にうたれました。」「愛の深さを知りました」のような単純な感動の仕方ができません。よっぽど暇でなければ、勧めません。トム・クルーズとペネロペ・クルスのファンにだけはお勧めです。

映画の真ん中あたりで、バニラスカイが登場してから、このシーンは夢を写しているのだろうと推測できました。それまでは、主人公が謀略で失墜した権力を取り戻す映画だろうという展開を期待してしまいましたので、期待を裏切られてつまんないという印象を抱きました。これは、もしかすると私だけではなかったのではないでしょうか? 人によってはキャメロン・ディアスとの熱烈な恋物語、もしくは愛憎入り乱れる三角関係を期待した向きもあったかも知れません。記憶を取り戻そうとバトルを展開するSF大作かなと一瞬思った人もいたかも知れません。期待を裏切ると、支持されるのは難しくなります。

なんなら、三角関係のままキャメロン・ディアスと会社役員が結託して主人公を冷凍して、それを取り戻そうとしたペネロペ・クルスと弁護士が、友人も手先であったことに気がつき、ワナをかけて壮絶なバトルを繰り広げる話はどうだったでしょうか? 実に安易で内容のない話になりそうです。半分意識を取り戻した主人公が、後遺症で夢と現実の狭間でうなされながらカーチェイスなんぞを繰り広げれば、ミッション・インポッシブルやマイノリティー・リポートなみのアクション映画大作になったはずです!くだらない映画にはなりますが、ヒットは狙えます。いや~、もったいないことをしました。

キャメロン・ディアスはミスキャストだったかも知れません。彼女のキャラクターは、セクシーで明るい性格の歌手やスパイが中心です。この作品の彼女の役は、いわば悪役ですから、迫力のグレン・グローズ(年齢が合いませんが)か、かわいそうな印象を持たせる泣き顔のメグ・ライアン(これも年齢があわない)みたいな女優を連れてくるべきでした。

生きていく上で必要なものは何か?本当に望むものは何かということを訴えてはいましたが、セリフ頼みだったように思います。観客も実感できるような、分りやすさが必要です。製作者達が考えたほど訴える力はなかったような気がします。

 

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