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2007年11月15日

ダイヤルM(1998)

- マイケル・ダグラスはMr.ハリウッド! -

かのマイケル氏がヒチコック監督作品をリメイクすると聞いて、彼もそこまで落ちぶれたかと当時の私は思いました。それで映画館はもちろん、ビデオ屋でも無視してきましたが、今回ちょっと気になって観てしまいました。

先入観を持った自分は間違っていました。これは非常に素晴らしい作品でした。 

もともとの原作がいいので、オリジナル版も評価の高かったはずですが、今回のマイケル版も緊迫感が漂う、いい作品に仕上がっていました。あらすじを知っている人は、もしかすると前作の気に入っている部分と比較して、今回はちょっとダメだな~と感じる場合もあるかも知れませんが、 作品のデキとしては充分なレベルであることは疑いようもないと思います。

最近の流れとして、殺人のシーンはリアルに見せることになっていますので、この作品でもヒロインが血をあびながら殺人を犯しています。血の量もたっぷり流れますので、小さな子供向きの映画ではなくなっています。不倫、計画殺人、だましあい、などが要素になっているので、恋人といっしょに選んで観るべき映画とも思えません。一人で観るべきでしょう。

全体の雰囲気が良かったと思います。これは主演ふたりのキャラクター、演出家の腕の両方が機能した結果でしょう。だましあい、形勢逆転をしあうことで、話が面白くなっていました。

ヒロインのキャラクターをどうするかが大きな問題だったようです。純粋な人間に徹するオリジナルに近い人物像よりも、だましあいに参加して、最も悪徳に満ちた人間として最後に笑うような設定にできれば、話の面白さは増したと思います。DVDには、別なパターンのラストシーンが載っていましたが、こちらのほうが私としては良かったように思いました。少しくらいズルいほうが、人間らしくて自然だと思います。

もっとタフなヒロインならば、刑事を味方につけるために色仕掛けでせまるようなことをすれば、さらに’現代風’の作品になるかも知れませんが、やはりオリジナル版と遊離してしまうことと、しゃれた雰囲気が損なわれてしまう点は覚悟しなければなりません。

ヒロインをヴィネス・パルトロウでいこうと決めた時点で、ドロドロ殺し合いの路線は排除されていたのでしょう。彼女は、今のハリウッドには貴重な存在です。他はほとんど殺し屋なみのタフネスか、おバカなギャグ狙いです。彼女のイメージを壊すのは得策ではないと思います。

マイケル・ダグラスは製作者としても有能で、奥さんも大活躍してますからMr.ハリウッドだと思います。役者として特に今回のような冷徹な会社社長役をやらせると、本当にサマになっています。キャリヤを思い出してみても、敏腕弁護士、社長役が多いようです。たまに刑事や冒険家もやりますが、これはハリソン・フォードのほうが合ってました。

今回は悪役?の、ヴィーゴ・モーテンセンはロード・オブ・ザ・リングの時も思いましたが、セクシーと言えるかどうか、私の感覚では分りません。ほとんど労働者~浮浪者の与太者のような印象で、ヒロインが惚れるはずはないと思うのですが、女どもの感覚は私の理解を超えていますから、あれでいいのでしょう。

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