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2007年11月13日

シザーハンズ(1990)

- 監督の精神分析を  -

監督 ティム・バートン

しっかし、この監督の表現は独特です。ギャグがあるんですが、どこか毒を含んで残酷なところがありますし、原色かパステルカラーを中心としてケバイ配色の画面、グロテスクな印象を受ける城~巨大な工場、意志の疎通に欠けた人物達、オドオドしたような表情、そして内部に秘めたシャイで純粋な心などが特徴のようです。「チャーリーとチョコレート工場」でも、このパターンでした。

この作品は家族で観れるかというと、私には解りません。子供には向かないような気がしますが、絶対ダメとも言えないようです。恋人といっしょに観るのは、お勧めです。有名な氷のかけらをヒロインが浴びるシーンなどは、美しくて夢があり、女性も満足してくれそうなシーンだと思います。

主演のジョニー・デップを始めとして、スムースに感情を伝えることができない人達がたくさん登場していました。近所付き合いも電話などで頻繁にされているようでしたが、心から仲良くしているようには見えません。こんな映画を観ると、監督の少年時代がどんなふうだったのか、気になります。すごいトラウマがありそうです。この作品の原案は、監督が作ったのだそうですから。

私の家も、近所とトラブルはないとしても、家族ぐるみで付き合っているとは言えません。各々の家は、ご主人は決まった時間に車で出勤していきますし、子供達は子供達の世界で過ごし無言でゲームなんかやってます。奥さん達はパートの仕事をしたり昼寝したり、適当に世間話をしたり、心から付き合うような時間的余裕がありません。映画と似たようなものです。

そのへんの心の疎通のなさが、この監督の作品に共通しているような気がします。

ストーリーは、「美女と野獣」を参考にしてあったようです。結局、ガストン役の若者は殺されてしまって、めでたし、めでたしでした。・・って、これは立派な殺人じゃないですか。犯人を隠匿しています。とは言え、映画だから硬いことは言わないで、許しちゃいましょうというところか? いいんでしょうか?

ジョニー・デップの表情は、今から思えばカリブの海賊のとぼけた表情にも通じるものでしたが、この作品の当時は孤独感を表わす、寂しげな演技だと思えました。チョキンと何でも切ってしまうクセは笑えました。

監督は本当に独特の表現をします。そうしないと生き残れないでしょう。昔ならヒチコック、ペキンパー、今ならこのティム・バートンと、バーホーベン監督が一番クセがあると思います。

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