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2007年11月 8日

フレンジー(1972)

- 様式美と冒険  -

フレンジーという言葉の意味は、友人が重要な役割を果たすからだと思いますが、いかにも監督らしいタイトルだと思います。思えばヒチコック監督は、北北西~だのと訳の分らないタイトルで人の注意を引いてほくそえむような人の悪いところがあり、だまされないかと注意してしまうところが、また楽しい点でした。

ネクタイを使った連続殺人が起こりますが、犯人として候補に挙がったのは戦争の英雄だった男です。何か戦後はうまくいってないようで、まず服装が怪しいと思います。それに何かイライラしているところも怪しいと思えます。また新しい犠牲者がでました。画面を観る限りでは、この男が犯人だとは感じられません。いったい、どんなトリックで犯行を犯しているのでしょうか?きっと監督のことだから、とんでもないどんでん返しを用意しているに違いないと、今までの経験から私などはついついヒントはこれかな?などといらんことを考えながら観てしまいした。

この映画は、正直なところ家族で観れる作品とは思えませんし、恋人と観てもいったいどんな感想になるんだろうと思えるような作品です。なんで、こんな映画を作ったのか、監督の人格を疑いたくなるような、そんな作品です。実際の事件がヒントになっていたように記憶していますが、それにしても監督の作品には、やたらロープなどで首をしめる犯人が出てきます。何かトラウマがあったのではないかと思います。

恐怖に引きつった女性の顔が何度か出てきますが、かなり色っぽい女性もいて、なんだか艶めかしい印象も受けました。監督の趣味だろうと思いますが、最近流行のスレンダーな女性は登場せずに、結構グラマーな女性が殺されます。監督に独特な嗜好があったに違いありません。殺人でエクスタシーを感じる種類の、変質者だったかも知れません。映画で発散していなければ、本当に犯罪を犯していたかも・・・。

ネクタイというものを考えてみると、これほど危険なものはありません。車か何かにひっかかってしまったら、それこそ命取りになりかねません。こんなものをつける習慣は早くくなくなったほうがいいと個人的には考えています。寒ければ襟を高くすればいいし、飾りならリボンのほうがずっと便利ですし、私のような暑がりは夏はTシャツが一番なので、ネクタイ着用がマナーなどと言われると、それだけで参加したくなくなります。

作品には様式美のようなものを感じます。冒頭の死体発見の場面などが代表だと思いますが、演説を聴いてる人達から、ある人にカメラが移動し、死体を見つけて聴衆がいっせいに駆け寄るというように、視点の移動が決められた様式でなされます。監督の晩年の作品なので、最初は実験的だったカメラワーク、シーンの連続性も、この頃は様式化していたのかも知れません。

観客を飽きさせないために、いろんな展開の仕方をしたほうがいいと思います。ひとつとして同じ展開がないくらい冒険をするなら、作品の寿命も長いと思います。監督は、この作品で充分に冒険していたのでしょうか?

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