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2007年10月 4日

ベン・ハー(1959)

「おい、今夜ベンハーがあるってよ。」「便ハ~って何や?」

私達の世代にとって、月曜ロードショーなどのテレビ番組は、文化に触れることのできる数少ないチャンスでした、というのはオーバーですが、とにかく非常に楽しみでした。大作を見なければ文明人になれないように勝手に思い込んでいました。ベン ハーのような作品が放送される日は、皆そわそわして、早く風呂に入って準備万端整えて見たものです。ちょっと休憩している間に寝過ごして、「なんで起こしてくれなかったのよー」と、涙したこともありました。

この映画は、家族みんなで見れます。殺人のシーンもあるのですが、血が出てもグロテスクな描き方はされていませんので子供でも大丈夫だと思います。このへんは今の映画と違います。恋人と今見たらどうかを考えてみましたが、「あれえ~CGを使ってないじゃん。」という理由で感動しないとしても、退屈しっぱなしということはないと思います。昔ほど感情移入してはくれない人が多いとは思いますが、結構面白いねと言ってくれるような気がします。

ストーリーが良いと思います。悲惨な状態になった主人公が堂々と復讐し、家族を救い出す物語ですから爽快感があります。やっぱ映画はこうでなくちゃと私なんぞは思うのです。もちろん勧善懲悪ばかりではいけませんが、最近の映画のように悲惨さ残虐さが売りの映画が多いと、見ても楽しくないのです。ヒーローはあくまでもかっこよく、厳しい試練にも耐えなければいけません。私も家内に何と言われようとも子供のために耐えていきたいと思っています。耐えられるのは、ベンハーが勇気をくれたおかげです。

加えて、私達のために戦車レースと海戦という珍しいスペクタクル(この言い方も懐かしい)を用意していただいております。この映像を今の技術でやると、たぶん海戦は迫力がアップするかもしれませんが、戦車レースはどうでしょうか? そういえば「グラディエーター」にも戦車が出ていましたが、いまひとつ怖く感じませんでした。「スターウォーズ」のポッドレースも迫力はありましたが、迫力の種類が違ったような気がします。この作品では撮っているカメラも振動して臨場感を上げていました。原始的な撮影方法が、かえって良かったと思います。

いずれ、これらもCGで再現できるとは思います。見ているカメラが振動し、風圧でカメラの焦点が変わるような効果を加えればいいのでしょう。まだ、そこまでこちらの視点をうまく表現した映画には出会っていません。もうすぐだと思います。そんな映画を楽しみにしています。

教会関係者の圧力は凄いと聞いています。神父が事件を起こしたら、警察に圧力をかけて国外に逃げさせたりしたことがあったそうです。それが映画になっています。この作品では生きているイエスを扱っているので、教会のクレームがつかないように、あらゆる点に検討を重ねているはずです。

映画の各場面も、大作に似合わない細やかな配慮を感じます。同じような予算を使っていても大ざっぱな作品が多いのに、この差は何でしょうか?プロデューサーが偉かったのでしょうか?

この時代の女優はメーキャップがはっきりして、日本人の感覚でも表情が分りやすいのは良いことですが、時代劇モードとでもいうべき色彩と表現方法を、そのままスクリーンに拡げたようなクセに慣れてもらわなければ、若い人達は笑ってしまうかもしれません。

チャールトン ヘストンに近い俳優は、今だと誰でしょうか?少し前ならシュワルツネッガーでしょう。 ヒーローも笑いを取らないと生きていけない厳しい時代です。彼のような人類の代表選手的キャラクターは、もう今後は出てこないかも知れません。

原作は、この作品以前にもセシル デ ミル監督?で映画化されてたはずですが、私は見たことはありません。この作品の迫力を上回ることは期待できないと思うので、あえて見ようと思いません。

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