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2007年10月24日

ソラリス(2002)

- 脚本の勉強は?  -

この作品は、子供にも恋人にも見せないほうがいいような気がします。基本的に静かすぎると思います。子供には確実に退屈な印象を与えますし、恋人の性格にもよりますが、おそらく恋に良い影響を与えるような効果は全くないと予測します。

愛情をテーマにはしているのですが、なぜか深く愛を感じることがしにくいストーリー展開でした。

旧ソビエト時代の「惑星ソラリス」は、これまた実に難解な作品でした。主人公がしかめっつらをしながら、部屋の中をうろうろしたりするシーンが長くて、SF冒険映画やサスペンスものを期待する向きには、実に退屈だったと思います。

無機質な都会を表現するためか、長いドライブのシーンがありましたが、なぜか日本語の表示板が立っていて、東京の道路で撮影されたらしいことが分りました。なんで? 欧米だと表示が解りやすくていけないと判断したのか? たとえ冷戦の最中でも、ロスあたりで撮影せんかい!と考えたのを覚えています。

今はなくなった名画座のどこかで観たはずですが、感動した記憶はありません。芸術的な表現にこだわりすぎて、娯楽の本筋から外れてしまったような気がしました。アイディアだけは良かったと思いますけど、手塚治虫のマンガには、この程度のアイディアは山ほどあったような気もします。

ソーダーバーグ監督が、この作品をなぜリメイクしようと考えたのか、全然分りません。普通なら、最新のCGを使って、怖ろしいくらいに美しい映像を作ろうと考えるはずです。人間の形がゆっくり形成されるところを、製作のジェームズ・キャメロンの「アビス」や「ターミネーター2」ばりの表現で、簡単につくれたのではないでしょうか?そうしないと、興行的に成り立つはずがありません。製作の意図を測りかねました。

ヒロインのナターシャ・マケルホーンは、トゥルーマン・ショーでも主人公を大きな瞳で見つめるのが印象的な女優でしたが、今回も長いこと見つめていました。役柄にはピッタリだったと思いますが、なぜ主人公との諍いが起こるようになったのかが分るように詳しく表現して欲しいと思いました。ただ妊娠中絶騒ぎだけでは、脚本に問題ありです。

主人公のジョージ・クルーニーは、本来のキャラクターはERの小児科医だと思いますが、スターになってからは冒険家や犯罪実業家役を中心にしているようです。今回の主人公にマッチしていないように私は思いました。宇宙に出る前に、彼が心にトラウマを持っていることを我々に示してくれていても良かったかも知れません。ここでも脚本に問題があったのかも知れません。

爆発などのイベントを期待したわけではありませんが、少なくとも隊員を殺した犯人との格闘や、友人の宇宙飛行士の死因を探るサスペンス、そして死因を探る中で徐々に自分にも異変が起こるというような話の流れがあったほうが良かったと思います。唐突に人が登場しては、味気がないような気がします。

徐々に自分の精神の問題や、過去の自分の行動の意味あいを理解するような流れなら、話が単純かもしれませんが、分りやすくなったはずです。

宇宙船の室内も、病的なほど清潔にすると良かったかも知れません。異様なほど白くて明るい室内は神経質な心理劇をやる時には効果的です。

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