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2007年10月28日

コーラスライン(1985)

- 内幕ミュージカルの傑作  -

ダンサーのオーディションを受けに来た若者達の物語でした。いっぷう変ったオーディションで質問されたことは、「今までどんな人生を歩んで来たのか」ということでした。プライバシーにうるさい国で、こんな質問はタブーだと思いますが、役は欲しいのでダンサー達はボツボツと身の上を語り始めます。

こんな出だしのストーリーでした。この質問をしている演出家自身にも、分かれた恋人とのドラマがあり、そして恋人はこのオーディションにやってきます。動揺する演出家。今まで質問されて内心では不快な思いをしていたダンサー達も、このやり取りを見つめます。

それぞれの人生の一端が明かされて、何だか皆が連帯感のような意識を持つに至りますが、オーディションです。厳しいですが、半分の人は落とさざるを得ません。さて、誰が合格するのでしょうか?

この作品は着想が優れていました。出演していたダンサー達を別な映画で見ることはほとんどありませんでしたので、主演のマイケル・ダグラス以外は、本当のダンサーと歌手だったようです。おそらく舞台が活動の中心だったのでしょう。ダンスは本物でした。この映画のために作られたという’サプライズ・サプライズ’を歌い踊っていた黒人ダンサーは、最も動きが素晴らしかったと思います。

整形手術で豊胸、ヒップアップをした途端に役が来るようになった女、ウェイターの仕事と掛け持ちのためオーディションが長引くと困る男、ステージを終わって帰る時に「あっ、あの人達ダンサーだ。」と言われるのが、何とも充実感を感じる瞬間だと話す年増ダンサーなど、様々な登場人物がいました。それぞれに合わせてダンスや歌が繰り広げられ、感情たっぷりに演出されていました。

監督は、何であの「大脱走」の小男なのかと思います。本意かどうか解りませんがインタビューによると、「ガンジー」を作る資金が欲しくて監督を引き受けちまったと、あんまり熱意が感じられないコメントをしていました。でも、私には素晴らしい仕事だったと思えます。

確か映画のパンフレットには、ジョン・トタボルタが出演を打診されたと書いてあったように記憶していますが、出演者のバランスを考えると、ちょっと問題があったかもしれません。

エキストラ達のダンスも、非常に素晴らしいものでした。ダンスの種類は何と言えばいいのか分りませんが、「ウエストサイド・ストーリー」の頃より進化して、セクシーさを前面に出した振り付けが多かったような気がします。この映画の後では、もっとラップ調に合いそうなダンスが主流になりましたから、過渡期の作品だったのかも知れません。時期的には「フラッシュダンス(’83年)」「ブレイクダンス(’84年)」とほぼ同じですが、よりクラシックな感じがします。

ダンサーのうち二人はホモセクシュアルという話でした。あちらは国中でゲイが多いのか、もしくは芸術家だけなのか?やたらゲイ達が登場する映画が多いような気がします。誰か、ブロードウエイにおけるホモセクシュアル人口の割合を調査してもらえないかと考えます。

芸術家達の心境は私には理解できない部分もありますが、厳しいショ-ビジネスの世界の内幕と、それぞれのダンサーの人生をドラマチックに表現した傑作だと思います。でも、さすがにちょっと古くなったかも知れません。子供や恋人と観るのは、あんまり勧めません。ゲイの人は、きっと涙して見ると思います。

 

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