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2007年9月11日

椿山課長の七日間(2006)

- 20年後の伊藤美咲が気になる。  -

デパートに勤める椿山課長が急死しますが、3日間だけ現世に戻ることを許される、ただし姿を変えて、という点がミソでした。課長役の西田敏行と、対照的なスレンダー美女の伊藤美咲の取り合わせが話をおかしくしました。ギャップが激しいほど笑わせます。 課長役が大地康雄でも笑えたかも知れません。

椿山課長とともに、少年とヤクザの親分も現世に帰りますが、彼らにもドラマがあって、お互いに少しずつ関係しあい、話に奥行きを持たせていたたようです。原作の浅田次郎のアイディアだろうと思いますが、よくできていました。おそらく原作では、もっと細かな感情の交錯が描かれていたに違いありません。

いい話でした。多少の問題はありますが、家族で観ることができる映画でしょう。不倫の話が少しありますが、今のテレビドラマなどと比べたら比較にならないほど上品でしたから構わないのではないでしょうか。恋人と見てもいい作品だと思います。親子の愛情に限らず、お互いの気づかいについても考えるきっかけになるかも知れません。

西田敏行は、役柄に対して少し年をとりすぎていました。もうおじいちゃん役のほうがしっくりきます。20年くらい前なら、ちょうど良かったと思います。その頃はもっとエネルギッシュでギラギラした感じがしましたから、役柄が違ってきたでしょうが。

伊藤美咲は顔が整いすぎた整形美人みたいで、感情移入しにくい印象の女優でしたが、この作品ではオーバーアクションでスタートしているためか、かなり分りやすい好演だったと思います。でも、感動させたのは他の俳優達でした。彼女に感情移入するためには、彼女はもっと惨めに泣かないといけないと思います。ちょっと怖いですが、年をとって容色が衰えた彼女を見てみたい気がします。

子役の二人にも非常に好感を持てました。うつむき加減で、少し頼りなげなところが、ストーリーとよく合っていました。

最近の映画はカメラが良くなって、映像が格段に美しくなったと思います。この映画に出てくる街路樹や、公園の風景も心が安らぐほどの美しさでした。演出も奇をてらわない、健全な感じでやられていたと思います。アラがほとんどない印象でした。原作ほど細かい表現はできていないかも知れませんが、話としてまとまりがあったと思います。

生き返りを扱った作品はたくさんありますが、生前の自分を反省し、隠された真実を発見する、家族や友人を救うなどの話に、今まで何度も感動しました。「ゴースト」「天国から来たチャンピオン」などが代表でしょうか。

そういえば、いずれも音楽が良かった印象が強いのですが、この「椿山~」では音楽の印象が強くありません。曲の印象付けが不足していたかも知れません。’千の風になって’のような曲は、それだけで泣けます。あの曲をイメージして映画化できないかと思います。ただし、その場合は西田敏行ではなく、役所広司のような真面目な感じの俳優でないといけないかも知れません。

見終わった後、私は自分がいかに日頃、家族や周囲の人達に冷たく、イライラしたまま接していたかを考え、謝りたい気持ちになりました。生き返りを扱った作品を見ると、いつもそうです。課長は、だまされ続けた人生だったかもしれませんが、それを怒ってはいませんでした。怒っても、どうしようもありません。

椿山課長が自分の体が変ったことに気がつく時は、背広のままではいけなかったのでしょうか?そののほうが体型の違いが分って、面白かったと思います。

ヤクザが化身するのも、一見すると普通のおばちゃんだが凄むと迫力のある女優だったら面白くなかったでしょうか?もしくはミスターオクレみたいな貧弱な男ではどうでしょうか?出演していた俳優は凄みが不足していましたので、それくらいならいっそ全く迫力がないほうがいいと思います。笑いと意外性を狙うなら、全く違う個性が欲しかったと思います。

西田敏行に続く、醜い(失礼!)中年俳優を待ってます。

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