映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ロード・オブ・ザ・リング(3) | トップページ | ブルース・オールマイティ(2003) »

2007年8月31日

マジェスティック(2001)

- 古いんでないかい?  -

全体的に少し古めかしい雰囲気をねらった作品のようです。40~50年代が舞台ですので、その時代の映画の雰囲気をそのまま再現しようとしたのでしょうか。よき時代の輝くような風景の中で、主人公が歓迎される場面は、彼の国に対してのあこがれを思いださせました。

脚本家が主人公でした。なぜか無慈悲な赤狩りにあってしまいます。当時は、こじつけのようにして多くの映画人が職を失ったそうです。主人公はそんな中で川に転落して記憶を失った状態で、ある町にたどり着きます。この町では、彼は亡くなったはずの戦争の英雄として大歓迎されます。美しい(けど、どこか古めかしい)恋人と再会?します。

町の映画館’マジェスティック’は、第二次大戦の後遺症のために閉館されてしまっていました。町全体も、どこか落ち込んでいます。彼が来たことで町は活気を取り戻し、バラ色の将来が見えてきますが、その時ちょうど彼は記憶を回復してしまいます。町の運命は、再び暗いものになりそうです。

ジム・キャリーの映画の中では、面白くないという人が多いかも知れません。大げさなギャグがほとんどありませんので仕方ないと思います。私のような50年代かぶれの古い映画ファンにとっては雰囲気の良い作品なのですが。

現代的でない恋人役が、かえって良かったような気がします。登場した時は、もっと底抜けの明るさを持つ美女でないとダメだと思いましたが、少し暗さがあって、しっかりした自己を持ち、田舎くさい感じがしたほうが、舞台が田舎町ですし、親しみが出ます。適役だったようです。

今でこそレッド・パージは過去の事件で片付けられますが、今の映画人の父親世代は結構ひどい目にあった人が多かったようです。また、大戦後のアメリカの後遺症について、私はほとんど知りませんが、考えてみれば何もなかったはずはありません。日本の田舎では、将来を期待された真面目な人ほど高い確率で亡くなってますから、お盆の頃のお婆ちゃん達の悲しみ方は、子供心にも深刻さが分る気がしました。アメリカでも、似たような悲しみはあったのではないでしょうか。それをテーマにした作品が意外に少ないような気はしますが。

テーマとしては、赤狩りと戦争後遺症という深刻なものですが、ジム・キャリーが演じたことで、少し和らいだ感じでしょうか? でも、やはり彼は抱腹絶倒の激しいギャグを飛ばさないと、イメージに合わない気がします。結局、作品としては中途半端な感じが残りました。

いっそのこと本格的ラブ ストーリーにしても良かったような気もします。非情な迫害をテーマにしたドクトル ジバコのような路線も狙えたのではないでしょうか。もっと涙腺を刺激する演出で、例えばブラッド ピットのような俳優が主演していたら、結構な名作になっていたかも知れません。ヒットしたかどうかは解りませんが。

« ロード・オブ・ザ・リング(3) | トップページ | ブルース・オールマイティ(2003) »