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2007年8月 6日

マクリントック(1963)

Photo_36 - インディアンも注目の男  -

面白い映画でした。私は昔の映画が好きです。あまり深く考え込まなくていいことや、家族と見るときに安心してていいからです。昔は倫理委員会がドギツイ表現に厳しかったことなどから、家族で見れない映画はほとんどありません。最近の映画だと、首をちょん切ッタリ少年少女をレイプしたり平気でやっちゃいますから、怖くて子供に見せられません。

ジョン ウェイン演じる大地主のマクリントックが主人公でした。インディアンでさえも、彼には敬意を払う人物です。奥さんは出て行ってましたが、娘といっしょに暮らすために帰ってきました。農地に入植する人達とインディアンとの間でもめごとが起こりますが、彼は殴りあいで解決してしまいます。インディアンに対する政府の締め付けが厳しくなり、官僚的な知事にひとあわふかせようと考えたマクリントックは、祭りを利用して酋長達を脱獄させます。彼の奥さんとの仲ももどったようです。

マクリントックのキャラクターが傑作でした。いかにも西部の開拓者風の、度胸満点だが結構ずる賢く緻密なところもある、骨太なやさしさというか、荒っぽいけど真の思いやりを持って人に接する人物像でした。それなりに筋を通すところは、ヤクザの親玉みたいな感じでしょうか。ヤクザも、彼らなりにきっと理屈,と美学があって行動しているのだろうと思います。

マクリントックも、見方を変えれば批判の対象です。①酒に酔って馬に乗る行為は、今で言う飲酒運転に他なりません。もし、人をはねたらどう責任を取るつもりですか! ②そもそも彼の土地は本来ならインディアンのもの 奪っておいて友情もへったくれもない! ③人前でタバコを吸うと、受動喫煙で肺癌にする ④ケンカの仲裁とはいえ、人を殴っていいのか? 暴力行為で禁固刑になるべき!などなど、今の時代なら刑務所から出られそうにありません。今一番偉いのは、高級官僚です。

官僚タイプの人間は、軽蔑されながらもはばを効かせています。年金をほったらかしにしようと、談合を取りまとめようと、発覚しない限りは住民の上に君臨しています。そんな人間よりマクリントックはずっと魅力的です。誰だってそう思うでしょう。でも、結婚するなら高級官僚が一番安定してるわよって、芸能人の女が言ってました。その通りです。

アメリカ人は今でも日本よりは野蛮でしょうが、さすがにマクリントックのような人物はいなくなったと思います。彼らも懐かしむ思いで映画を作ったのでしょう。日本の場合だと、戦国武将の大河物語を繰り返し描くような感じでしょうか。彼のような人物は、どうして存在しえないのでしょうか?

一代で巨万の富を作るのが難しいことも関係しているかも知れません。税金制度の関係で、個人がお金を維持できないからでしょうか。ネットビジネスでかなりの財産家が出ましたが、失敗例も結構います。ホリエモンは残念でした。スーパーのダイエーの中内さんは、私の子供の頃は立志伝中の人物でしたが、やはり失敗してしまいました。やっかみで批判されることも多いでしょうし、リスクを背負っているからこそ凄いということもあると思います。役人が寄ってたかって潰したのかも知れません。

この作品は娯楽作品に徹していますから、「我が谷は緑なりき」などで美しい娘役を演じていたモーリン オハラが、下着姿で激しいバトルを展開していました。見た感じでは、彼女の本当の性格に近いのは、この映画ではないかと思えました。清楚な女優は、意外に気が強くてオテンバなことが多いと、誰かが書いていました。

マクリントックを尊敬する点は、奥さんに暴れられても私のようにイジイジしないことです。私の場合は、せいぜい無視するくらいしかできません。今は法律の判断がせせこましいので、結果的に大きな声でわめいたほうが勝ちです。奥さんのお尻をたたいて懲らしめようものなら、「暴力夫!」と訴えられて、世間は私を悪者にしてしまいます。暴力にもいろいろあるでしょうに。

私の奥さんは、私がクリニックを開業しないなら自分は家事も子育ても最低限しかしないと言ってました。なんちゅう脅迫でしょうか。離婚で慰謝料(なんで私が払わないといけないの?)を取られるよりはと考えて開業しましたが、その後で慰謝料の相場を調べてみたところ思っていたより安いので、離婚した方が経済的だったことに気がつきました。なんてこったい。

たとえ奥さんにメチャクチャされても、気にしてはいけない。日々の仕事をこなし、社会のため、子供のために勇気を持って雄雄しく生きなければならない。負けてはならない。それを、この映画で再認識しました。私は涙なしで、この作品を見れません。

 

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