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2007年8月24日

ロード・オブ・ザ・リング(1)

- 壮大なゲルマン伝承的物語   -

小人(ホビット)族の青年フロドが魔法の指輪を封印するために、旅をする物語のパート1でした。フロドの仲間は、魔王サウロンの手下達とバトルを繰り返しながら、やはり旅をします。フロド達も疲れたでしょうが、見ている私も疲れる大作でした。

指輪をつけると姿が消えますが、サウロン達に居場所がばれてしまいます。サウロン達に指輪が渡ってしまうと、魔力がアップして人類は滅びてしまうという設定です。フロドは、幽霊みたいな騎士に襲われて瀕死の重傷を負いますが、妖精のような種族の姫様に助けてもらいます。

いっぽう、仲間の小人達は頼りにならないオッチョコチョイや、ただのデブばかりで、足手まといにしかならないように思えますが、旅を続けるうちに活躍するようになるようです。

この作品は、最初上野の映画館で見たのですが、酔っ払っていたため予告編の段階で寝てしまいました。ハッと起きて、「しまった、2回目の上映中か?」と思ったら、まだ1回目の半分くらいしか進んでないので驚きました。それくらいの長さです。

原作を読んでいませんが、こんな大作では、相当な根性がないと読みきれないような気がします。でもベストセラーでしたから、きっとワクワクするような名文なのでしょう。そうでないと、これだけ複雑で長い話がうけるはずがありません。

私にとっての見どころは、地中から掘り出されるゾンビのようなバケモノでしょうか。ゼリーのようなものを掻き分けて出てくると、いきなり暴れる凶暴さで、主食は生肉だそうです。野菜を食べないとメタボリック症候群になってるかもしれませんが、バケモノですから長生きのことなど気にしないでしょう。メーキャップが見事で、臭いまでしそうな程の出来栄えでした。

地底の近道?で遭遇する’燃える怪獣’と、壊れそうな階段を下りるシーンも迫力がありました。普通の映像なら、巨大なものが登場すると動きに不自然さが生じて笑ってしまうところですが、この作品のCG技術は非常に高度なので、あまり笑えませんでした。娯楽作品なのに、笑うというレベルを超えています。気味悪さ、怖さを楽しむという映像でした。種々のバケモノが登場した関係で、長い割には退屈さを感じることがありませんでした。

仲間達のキャラクターも、パート3まで見るとよく理解できました。最初に登場人物を決めた段階で、全体の流れやキャラクターを練っていたとしたら、その構成力、アイディアは凄まじいものです。作者の根性と能力に感心します。また、原作を映画化するにあたって、イメージを作り上げたスタッフ達、細かなCGを丹念に製作する気の遠くなるような作業をこなしたオタク達にも敬意を表したいと思います。私などはパソコンに1時間もかかっていたら、眼がおかしくなってしまいます。

パート2と3では、城を攻めるバケモノ達の映像が見事でしたが、そのやり方は古代ローマや中世の城攻めと同じ方法で、歴史の教材に使えそうなものでした。そういえば、この物語自体が、昔のゲルマン民族の伝承話や、中世の魔法使いと騎士の物語のような感じがします。これは、先祖が経験した戦いを伝承するかのようなイメージで作られた、おとぎ話なのでしょう。

キリスト的な’神’という観念が登場していませんでした。これは、欧米の映画では珍しいと思います。だいぶ昔に、「オンディーヌ!」と叫ぶゲルマンの映画がありましたが、キリスト教を離れた神の概念を表現すると、あちらの教会関係者は恐ろしく怒るそうですので、この映画も昔なら問題視されたのではないでしょうか?

ここまで複雑、長時間にせねばならないのか?とは思いますが、迫力ある映像は一見の価値があると思います。作ったオタク達に乾杯!

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