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2007年7月30日

うなぎ(1997)

- 不貞を怒るのか?  -

不倫した妻を刺殺して服役した男が主人公でした。仮出所して、ある町で床屋を始めますが、服役中に友達?になったウナギと、飛び込んできた女、その夫のヤクザ、近所の住民達が入り混じってドラマを引き起こす物語でした。

この映画は子供向きではありませんでした。テーマが教育とは関係ないですし、たぶん意味も分らない場面が多いと思います。家族で見るのもお勧めできません。恋人と観るのも勧められません。やはり、不倫で始まる映画は何か気まずいところもあるのではないでしょうか。全体にユーモアが漂い、悲劇的なストーリーであるにもかかわらず、やはり喜劇なのでしょうか?という変な作品でした。

カンヌ映画祭でどのような部分が評価されたのか、正直なところ私にはよく分りません。でも、駄作ではないと思います。結構面白い作品でした。話の設定が良かったのだと思います。

役所広司は適役だと思いましたが、珍しく素人っぽい演技がところどころ気になりました。真面目男の役をしても、いつもは気にならないのですが。演出のせいかも知れません。清水美砂は、テレビで見るよりずっと良い役者ぶりでした。辛い状況下で微笑む笑顔が良い顔でした。ただし、役所を好きになるのが唐突な感じは受けました。これも演出のせいだろうと思います。暴れるシーンでは、持っていた棒が軟らかいので迫力に欠けていました。ウナギを刺すのに使うモリでも良かったかもしれません。

今村監督は、性に対する表現があっけらかんとしていて、たいていの作品では太ももか、胸元を出さないと気がすまないようですが、あんまりいやらしくありません。雑誌のインタビューでも、「男は立たなきゃね。」みたいな話をしてました。この作品の主人公が妻を殺すのは、セックスが下手な主人公が上手なセックスに嫉妬したからだと言う場面がありました。浮気に怒る人は、パートナーの不貞を怒るより、自分のセックスに満足してくれないことがくやしくて怒るだけかも知れません。

もし、妻が浮気したら私はどう思うかと考えてみましたが、少なくとも殺したりはしません。新婚の頃なら暴力沙汰も起したでしょうが、誇張ぬきに「あら、そう。子供に影響ないようにね。」で済ませていまうかもしれません。自分に自信を持っているわけではありません。子育てでヒーヒー言っているので、また妊娠でもされて家の家計が破綻しないことが心配なだけです。

いつだったか、勤務していた病院の看護婦さんから不妊治療の相談を受けましたが、「ご主人とじゃなく、私と実地練習すれば生まれますよ。」と手を握って言ったら、翌月に妊娠されて驚いたことがあります。手を握っただけで妊娠するとは!確か手を握っただけだったよな?と自問自答しました。自分のセックスが下手でも私は気にしません。このうえ上手だったら、10人くらい子供が生まれて破産します。

主人公はウナギと会話をするらしいのですが、会話らしい会話は少なくて、しかもウナギと知り合う場面は省略されていましたので、看守が「こいつはウナギと話すんですよ。」と言った時には唐突な印象を受けました。せっかくだから、主人公が人間を避けてウナギとお友達になっている異常な状態を表現するために、頻繁にウナギと話をして欲しかったと思います。

主人公は妻に包丁を向けますが、妻は全く抵抗していませんでした。何か意味があったのでしょうか?普通は手を出して振り払おうとするし、表情も恐怖と驚きと怒りが混ざったような顔をすると思いますが、あっさり殺されていて不自然でした。主人公の記憶が曖昧になる場面ではなかったようですので、もう少し現実に近いほうが良かったのではないでしょうか。

 

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