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2007年7月21日

ブラックホーク ダウン(2001)

Photo_21 - 後手に回った作戦記   -

この映画も作戦失敗からの脱出劇を描く作品でした。救出のために、さらに大きな犠牲が出てしまい、司令官はこの作品の後で更迭されたと思えました。

ゲリラの支配地のど真ん中で、相手の大物を捕らえるための作戦が始まりました。敵を確保して、さあ引き上げようとした時にトラブルが発生してしまいます。救出に行った部隊が、これまた大勢の敵に包囲され、次々に死傷者が出て行きます。どうやって脱出するか、というお話でした。 

主演が誰かはっきりしない映画でした。いろんな兵隊が活躍しましたが、ヒーローめいた活躍をしたのは、後方勤務のユアン マクレガーだったようです。

敵地で作戦を決行するのですから、不必要なくらいに準備を整え、強力な装備で一気にことを片付けるべきでした。暗視装置、もしヘリが撃墜された時のための地上部隊の配備、救出用へりなどなど、十重二十重のリスクマネジメントが必要だったことが分りました。

医療現場でも、このようなことはよく起こります。例えば検査のために移動している最中に突然患者さんが急変してしまった時には、廊下やエレベーターの中などには薬も何もありませんから、処置のしようがないまま亡くなってしまうことがあります。待合室で体温を測っている最中に急死した患者さんも何度か経験があります。どんな患者さんか誰も知らないうちに、いきなり倒れられて、あたふたします。

ある意味で移動や検査は作戦みたいなものです。あらゆる可能性を考えて、点滴や救急用品をいっしょに運ぶなどの、一見バカバカしい準備が必要なこともあります。心筋梗塞のような緊急性の高い病気の時は誰でも注意しますが、例えば胃潰瘍で療養中の人が急にショックになるなんて、普通は予測できません。でも、頭を使えば迅速に対応することは可能です。一見ありえないことを予測する能力が現場には要求されます。

中規模の病院では、通常は夜間の当直は一人しかいません。その時に患者さんの2人が同時に心臓が止まったら、どうしたらいいのでしょうか? めったにないことですが、数年に一回くらいはあります。看護婦に手の開いた人がいればよいのですが、そういう時に限って重症患者も多くて、結局その場しのぎの処置で乗り切るよしかないことになります。

政府は充分な看視が可能なほどの人員の配置を認めません。この映画でも、最小限の人員で出発せざるを得ないようなことを述べる場面がありましたが、わが国でも医療費節減のために現場に厳しい締め付けがあります。重症患者が増えた時は、看護婦も倒れそうなほど働きますが、それに対して人員を増やして対応しようにも、経営的に成立しえないように医療費を設定していますので、緊急事態ではお手上げ状態です。

後手に回らないように注意してやるしかありませんが、、、。

作品として、この映画は結構迫力があって、よくできていたと思います。結構残忍なシーンがありましたので、家族いっしょに、または恋人といっしょに見るのに最適ではないと思いますが、友人と見るならいけると思います。

どんどん状況が悪化し、次々と死人が出るのでスリルがありました。映像も、カメラワークが良いのか、迫力がありました。現実の戦闘もこんなものかと思えるほどでした。それが、この映画の特徴でしょう。登場人物のキャラクターとしては、ユアン マクレガーは文官みたいなキャラがうまく出ていたと思いますが、本来の主役のジョシュ ハートネットは、なんで主役に選ばれたのか分りませんでした。表情がはっきりしませんし、体も細身ですし、兵隊役には無理があったように思います。

せっかくの技術さん達の腕が、役者のキャラクターや芝居の問題のために少し足を引っ張られた印象を受けました。でも、全体としてはかなりよくできた作品だと思います。監督の趣味が出ていたのかもしれませんが、残忍だけどリアルで迫力ある映像というのがまとめでしょうか。

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