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2007年7月 2日

涙そうそう(2006)

- 笑いすぎ  -

家族で見るといい作品だと思います。恋人と見ても悪くない雰囲気になるように思います。ラブストーリーというより、家族愛を謳っているに近いと思いますが、ラブストーリーとして見ても盛り上がる作品です。

血のつながっていない兄妹が那覇でいっしょに暮らしながら、兄は店を開店し、妹は学校に通います。二人は深い愛情で結ばれていますが、様々な事情から悲しい結末を迎えることになります。涙あふれるばかりというラストでした。

もともとは森山良子とビギンが作った歌からイメージを膨らませた作品だそうです。テレビでは違うストーリーでやってたようですが、ひとつの曲のイメージからいくつもの物語ができるなんて、なんとまあ歌の力とは凄いものです。

主演の二人は今が旬という感じがしました。妻夫木は、バラエティー番組で見てもオーラを発するほどの笑顔を見せますが、この作品でも冒頭からニコニコしてます。ちょっと笑顔を乱発しすぎだと思います。個人的には、もっとバイタリティを表現できるデブで愛嬌のある2枚目半の役者のほうがサマになったような気もしますが、女性ファンを満足させるためには、本当の2枚目でないといけません。

この作品の演出家に関して、私は不満があります。

もう十年前くらいになるでしょうか、広末涼子が登場した時に何かのドラマでニコーとただ笑う、演技というか何と言うか、とにかくやたらニッコリするのを見た記憶があります。確かに魅力的な笑顔でしたが、魅力的だからとずっと笑っていては、さすがに「もしかして、この娘バカ?」と、不安を感じてしまいます。程度をわきまえないといけません。

この作品の長澤も少々笑顔が多すぎたような気がしました。これは演出家のセンスの問題だと思います。長澤は、ちゃんと泣き顔も悩んだ顔もできる女優ですから、作品を全体的に見て、何度笑顔を見せるか、何度泣かせるかくらい計算して指示しなければなりません。

おそらくハリウッドでは、全体の何%の時間は泣き、何%は笑うと観客が喜ぶというデータは取っているはずです。金がかかっているのですから、当然それくらいのことはしています。やはり観客の印象を第一に考える工夫が必要です。

妻夫木も、隠れてもっと情けなく泣く場面があったほうが良かったような気がします。隠れて泣いて、無理に強がる姿を、もっと惨めに描いておくべきではなかったかと思います。妻夫木は充分に演じる能力があると思います。それで、女性の観客の心をつかめるはずです。ちょっと格好よすぎでした。情けないほうが受けます。

海岸の場面もありましたが、意外に自然を作品の中で使っている場面は少なかったようです。冒頭の長澤が登場する場面と、骨壷を船で運ぶシーンくらいでしょうか。印象に残る映画は、風景もアクセントにしていることが多いような気がします。せっかくの美しい海を、回想シーンでもいいから美しく描いてみてはどうだったかと思います。

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