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2007年6月28日

ローマ帝国の滅亡

- 我々が滅亡の原因かよ   -

この作品は、当時の超大作ブームの中で作られた作品だと思います。ハリウッドには、超大作ブームが時々来るような気がします。「エル シド」の監督が作った作品らしいのですが、そういえば良く似ています。何が言いたいのかが曖昧な感じがします。

家族にも、子供にも特別お勧めできる作品ではないと思います。史実と違う物語ですし、教訓めいた話をするとしたら、もっと明解に表現しないと子供がどのような理解を示すか分りません。

皇帝の息子コモドウス(クリストファー プラマー)は、皇帝から後継者を頼まれたスティーブン ボイドとは幼少の頃からの友人でしたが、コモドウスを皇帝にするために取り巻き連中が画策して現皇帝のマルクス アウレリウスを殺し、ボイドは遠くゲルマン戦線に追いやられてしまいます。

コモドウスに反発するボイドは結局反逆罪でつかまってしまい、コモドウスと真剣勝負をすることになります。実在のコモドウスは剣闘士として相当な腕だったらしく、自称ヘラクレスのマッチョマンで、実際に勝負したらたぶんボイドはあっさり殺されて話は終わってしまうところだったはずです。しかし、この映画で勝ったのはボイドのほうで、恋人のルチッラとともに、いずこかへ去るというお話でした。

後年の「グラディエーター」と、この作品とは随分描き方が違います。「グラディエーター」は、よりリアルで陰惨になっていたような感じです。ただの歴史物語を作っても、現代では評価されるはずがありません。血しぶきを飛ばし、グロテスクな死体をころがさないといけないのでしょう。「ロード オブ ザ リング」の頃から死体の表現や、刀で人を切る表現が進んでしまって、見事に切らないと観客が納得しなくなっています。いいことか悪いことか分りませんが。

ローマ帝国の皇帝の中で最も人気が高いのはマルクス アウレリウス アントニウスだそうですが、息子のコモドウスは昔から最悪の人気で、殺された後すぐに記録末梢処分をうけたほどの不人気だったそうです。ローマ史を書いた人達は、悪いことは皆このコモドウスのせいにしてしまったので、帝国の滅亡は彼のせいになってしまいましたが、もちろん彼のせいだけではなかったはずです。

日本の大臣達や、県知事達の中にも訳の分らない連中がたくさんいます。もし、日本が将来滅亡したら彼らを主人公に映画が作られるかも知れません。役人たちのやることも、時々さっぱり分らないことがあります。私は厚生省のことくらいしか分かりませんが、おそらく長期的展望に立って適切な手を打てる官僚は少ないのではないかと思います。皆、成績は優秀だったはずですが。

役に立たない知識や、声の大きさ、口先だけの印象で人を評価をしてしまう我々の価値観に根本的な欠陥があるのでしょう。たとえ小さな声で、ミスターオクレのような貧相な人が話をしても、内容に優れた点があれば認めるようにしていれば、我が国は安泰です。我々の見識が将来を決するのだと思います。もし我が国が滅亡するとしたら、おかしな連中を選んだ我々が結局悪いのです。

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