映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ゴッド ファーザー3 | トップページ | かもめ食堂 »

2007年5月10日

エターナル サンシャイン

- 記憶を消したい?  -

テーマと発想が素晴らしい作品だと思いました。似たようなアイディアの話は、テレビドラマでもあったような気がしますが、この作品は特に主演のケイト ウインスレットの存在感とイメージが 作品のストーリーによく合っているので、感情移入しやすかったような気がしました。したがって、「タイタニック」がなければ、この作品の印象も変わったかもしれません。

記憶を消す商売をネタに、主人公と恋人が出会いと別れを経験します。話はいろいろ前後しますので、途中の時間はケイト ウィンスレットの髪の色などを参考しないと分らなくなりそうですが、おおまかに言うと、ジム キャリーの主人公が、ある集まりでケイト ウィンスレットと知り合い、恋に落ちます。しかし、付き合っているうちに、どうやら口論を繰り返すようになったらしく、彼女はジム キャリーとの記憶を消してしまいたいと考えるようになったようです。

ところが、記憶を消す作業に、作業員の思惑やら、ジム キャリーの強い思いやらがからんで、話は結構複雑になってしまいます。はたして主演の二人は別れてしまうのが良いのか、ヨリをもどすのか、見ている私達には分らなくなってきます。

人の記憶は、複雑な神経のネットワークによって形成されると思われますので、パソコンを持ち込んで電極を当てるような簡単な方法では消去できるはずがありません。たとえ可能になっても、人道的に必要と思われる場合(例えば大惨事がトラウマとなった人)以外は、記憶は残しておくべきものだと思います。

ちなみに私自身は、例えどんなに悲しい出来事でも忘れたくありません。みじめにフラレた経験の数々も、当時から半分人生やけになってましたので、悲しいのは悲しいけど、自分のようなアル中は振られて当然だと思いましたので、忘れたいとは思いません。怖い先輩にドツカレた恐怖の体験も、今となっては彼らを許してやりたい気がします。辛い感情も、多くの場合は薄れていくはずだと思っています。

私の奥さんの記憶をきれいさっぱり消して、どこかの若い子との新しい記憶を作ってくれると嬉しいのですが、客観的に考えると相手の女の子が気の毒な気もします。悲しいことですけど、自分には甲斐性がありませんもん。自己中心的ではいけません。

もし私の子供が今死んでしまったら、精神的に耐えられるか分りません。私の知人が事故で子供さんを亡くされましたが、完全なウツ病になってしまわれました。もしかすると、そんな時は記憶を消して欲しいと思うかも知れません。幸いにも私は比較的幸せな人生を歩んでいるから、気持ちが分らないだけかも知れません。

さて、この作品のなかのジム キャリーは、あまり好きになれません。テーマから考えると、二枚目俳優の方が向いていたはずです。なんで彼がキャスティングされたのか分りません。女性達が感情移入するためには、演技が下手でもヨン様的な俳優が良かったはずです。

さらに、話はもっと簡略化できたような気もします。回想シーンが多すぎて、芸術嗜好の学生が作るような、凝った脚本になっていました。回想は1回ですむように、もっと構想を練ったら分りやすかったかもしれません。でも見応えにある作品でした。ぜひ見てください。

« ゴッド ファーザー3 | トップページ | かもめ食堂 »