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2007年5月20日

自転車泥棒

- 貧困は最大の暴力 -

ずいぶん古いイタリアの作品でしたが、画像の処理をしてあるのかDVDは充分鑑賞に耐えうる画質でした。家族で見て良い映画だと思います。恋人と見ても悪くはないと思いますが、恋には良い影響はないかも知れません。

テーマは、家族の愛情と貧困の問題が中心でした。主人公はローマに住む男で、妻と小学生くらいの男の子がいます。長いこと仕事にありつけないでいましたが、ビラを貼る仕事が舞い込みます。ただし、そのためには自転車を準備しないといけませんが、あいにく男の自転車は質屋に出してあるので、それを買い戻すために家のシーツを質入れしなければなりませんでした。

やっと仕事を開始ししたものの、自転車が盗まれてしまいます。男は仲間にも頼んで懸命に探しますが、既にバラバラにして売られているのか、見つけることができません。しかし、ようやく犯人と思われる人物に会うことができました。でも証拠がありません。

自転車がないと仕事はクビです。家族を養っていくことができません。街にはたくさんの自転車があります。取っても、誰にも分らないかもしれません。しかし、もし捕まれば子供に見られてしまいます。さて、男の決断はいかなる結果になりますことか?という話でした。

主人公といっしょに自転車を探す子供が、父の後をひたすら歩く姿が泣かせました。イライラした主人公にたたかれてすねる姿も可愛いのですが、父親が苦悩する姿を子供が見ることの辛さが、この映画の一番の魅力かもしれません。父親が苦しんでも当たり前の時代だったはずですから、子供の心が傷つくかどうかがカギでした。

貧困は最大の暴力だと誰かが言っていました。戦争状態にない時は、確かにそうです。貧しいがゆえに人の心がいかに傷つくかを考えさせられました。私も現在は収入がない状態ですが、幸い今のところは犯罪行為をしなければならないほどではありません。もし、そういう状態になったら、自分の心は相当に傷つくだろうと思います。情けなさに腹が立つことでしょう。

我々には、誇りが必要です。戦争で生きるか死ぬかの時は、誇りもへったくれもありませんが、そうでない時には「仕事がある」「家族の役に立っている」「社会の役に立っている」などの満足感がないと、心が晴れません。それを得るために、我々は無理をしてしまうところがあります。

主人公役、子役の演技は良かったと思います。演技力があるのかないのかすら分りませんでしたが、雰囲気はとても出ていたと思います。仲間や、街中の男女の演技は芝居がかっている感じ(当たり前ですが)がして、良かったのかもよく分りませんでしたが、この時代の映画はほとんどそうですから、慣れればおかしくはないと思います。

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