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2007年1月12日

ブロークバック マウンテン

- 偏見に満ちた世間  -

この作品は名作に違いないと思いますが、子供にも恋人にも向かない映画だと思います。理解力が充分にあって、偏見を嫌う性格の子ならば感じるものがあると思いますが、そうでない場合はかえって偏見を植え付けてしまうかも知れません。

一般的に、イジメの行為を中心的にやってしまう人物は、自分がいじめられることへの恐怖を強く持っていることが多いと思います。それが行為を激しくさせる理由の根底にあるのではないかとさえ思います。ホモセクシャルな感情が辛いことだと頭にインプットされると、その怖れから偏見へと移行してしまい、自分が違う人間であることを表現するためにリンチしてしまおうと考える人間が出てくるのかと思います。

ブロークバック マウンテンは美しい山です。ここで羊を飼う仕事のために、二人の青年が雇われます。テントを張って寝泊りし、粗末な食事や熊や狼に注意しないといけない辛い仕事ですが、二人の間に愛情が芽生えてしまいます。でも、もしこれが知られてしまうと、リンチで殺されてしまう可能性がありますし、家庭も失ってしまいます。二人は定期的に釣りをするなどと偽っての逢瀬を数十年も続けることにします。

恋人にこの映画を勧めると勘ぐられてしまいますので、積極的には進めない方が良いと思います。人間愛の観点からは正統派の作品ですので、見る人の理解力さえあれば美しく良質の作品だと思います。

残念ながら、主演の二人の感情は私には理解できませんでした。お互いの不幸な境遇に同情し、仕事の連携で信頼し強い結びつきができる過程が、おそらくもう少しトラブル(例えば生死をさまようような病気やケガなど)がないと分りにくい感じがしました。

この映画の一番の魅力は美しい風景でした。天気の良い日に羊の群を追うシーンが撮影されていましたが、カメラの性能がよいのか細かいところまで実によく写っていて、やや暗めのフィルターの効果も効いて、透明感のある風景が素晴らしいと思いました。そういえば同じ監督の「グリーン デスティニー」の竹林の映像も同じ色彩だったような気がします。

風景を見るだけでも素晴らしい作品でしたが、ラストシーンも印象深い終わり方でした。恋人の服を大事そうに扱い、眺めるしぐさが、いかにも愛情を感じさせるものでした。良いアイディアだったと思います。でも、そこにつなげる手順には少し無理があったような気がしました。

「プリティ プリンセス」のアン ハサウェイが奥さん役役で出演していましたが、何のために彼女が出演しているのか理解に苦しみました。単に契約のためでしょうか?

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