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2007年1月 4日

お熱いのがお好き

- お後がよろしいようで   -

監督 ビリー ワイルダー

この作品は間違いなく傑作です。子供たちに見せてみましたが、大うけにうけました。古さを感じるのは白黒であることくらいでしょうか。今の恋人達が見ても、かなり面白いと感じるはずでしょう。

アル カポネをモデルにしたキザなギャングがいて、密告者を殺してしまいますが、この現場に居合わせたミュージシャンのジャック レモン、トニー カーチスの二人がギャング達に追われることになります。その逃げ方が大胆で、女装して女の楽団にもぐりこむというアイディアでした。我々から見ると気持ち悪い女装ですが、話の都合上なぜか怪しまれずにもぐりこみに成功し、一安心です。

トニー カーチスはもともとオカマのような顔立ちですので、女装も様になっていますが、ジャック レモンは女らしくないことが演出上も必須でしたので、ガニ股で歩くやら、ヒゲがはっきり見えるやら、格好自体が笑えました。ただし、この辺のギャグは古典的ですので、子供のような単純な気持ちで見ないといけません。この映画をシニカルな視点で見てしまうと実に下らない作品になります。

楽団のメンバーのマリリン モンローと二人は仲良くなりますが、マリリンが金持ちと仲良くなろうとしていることに目をつけて、手の早いカーチスは金持ちになりすまして恋仲になろうと画策します。金持ちの格好と女装との変わり身の大変な苦労が実り、クルーザーで二人きりになる絶好のチャンスに至ります。

クルーザーのシーンのモンローの格好は、ほとんど裸に近いような格好ですが、あまりいやらしくありません。このへんはキャラクターのせいでしょうか。グラマー女優があまりに色っぽくすると、いやらしくなってしまいますが、少し頭の足りない女だとかわいくなります。このへんのバランスが良かったようです。

いっぽうジャック レモンは本当の金持ちに惚れられて、カーチスの恋の成就に手を貸したりします。金持ちから高価なネックレスを贈られて喜んでいると、勝手にマリリンへの贈り物にされて憤慨したり、二人組みの協力体制もすったもんだがあって笑えます。

うまく逃げたはずの二人でしたが、偶然にもギャングの集会が二人が滞在するのと同じホテルで開催されることになり、見つかった二人はマリリンと金持ちをいっしょに海へ脱出します。金持ちがラストで言うセリフが傑作でした。落語で言うところのオチでした。このオチのために、おあとがよろしいようです。

センスが良いと思うのは、キザなギャングは喜劇なのに全然笑いません。ギャングの大ボスが別にいますが、演説はこわもての内容なのに表情が極端すぎて、こちらは笑えます。皆が笑いを取ろうとすると、吉本新喜劇になってしまいますが、役割分担がはっきりしていて、展開にスピードがあります。このスピードが的確でした。

チャップリンの映画も子供にうけますが、笑いを取れるシーンではギャグに念を入れるためか、長くなりすぎる傾向があります。ビリー ワイルダー監督作品には、それが感じられません。編集者が優れているのでしょう。

 

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