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2007年1月 8日

帰らざる河

- 酒場の歌姫はキラキラ -

酒場の娘マリリンには恋人がいます。酒場ではお色気満点の歌を歌い、客はおとなしく歌を聴いています。エッチな行為で大騒ぎになりません。喝采を浴びていますが、彼女の夢は早く足を洗って恋人と家庭を持つことです。この恋人は危ないことで金を儲けたようで、追っ手から逃げるために筏を作り、逃げていく途中でロバート ミッチャムと彼の小さい子供の家に行きます。

ところが恋人は親切なミッチャムから銃と馬を奪い、これに怒ったマリリンを残して恋人だけが川の下流の町に行ってしまいます。町でリッチな生活ができそうです。そこで、残されたマリリンとミッチャム達は筏を使って川を下り、町へ行こうとします。ところが途中は激流を越えなければなりませんし、追っ手やインディアンが命をねらってきます。

危険な川下りの最初は、恋人を懲らしめようとするミッチャムとマリリンは敵味方ですが、当然ながらお約束の恋が芽生えます。でも、無骨なミッチャムにはうまく表現ができないようです。町に着いた一行は、恋人と相対します。さて、恋人との決着や如何に。

決着の後、マリリンはまたも酒場で歌を歌っています。歌っていますが、どこか悲しげです。私達にも何となく彼女の気持ちが分ります。そこに突然ミッチャムが現われ、強制誘拐的行為で彼女を連れ去ります。でも彼女は歌の世界には未練がないようです。その証拠にハイヒールなんかいらないわと、捨てていくラストシーンがありました。いや~、かっこいい終わり方だこと。

この映画を子供にも見せてみましたが、そこそこ楽しんでくれました。作品の色彩が懐かしい感じがしますが、今とカメラやフィルムが違うせいかもしれません。

いつも疑問に思うのですが、例えば「エデンの東」のタイトルバックの海の映像は異様に色鮮やかで、鮮やか過ぎると思えるほどです。ビスコンティの映画の室内調度品もキラキラと輝いて、重厚感に満ちていました。そして、この作品の酒場のシーンも照明がキラキラして、露光オーバーでちょっと色がにじんで見えるほどの明るい色彩でした。それがテレビの色彩と比べて鮮やかで、いかにも映画って娯楽だな~、豪華だな~という何か幸せな感じがしたものです。

ところが最近の映画では、このようなキラキラした映像をあまり見かけません。もしかするとカメラやフィルムの性能がよくなって、絞りが効いた繊細な表現ができるために、露光オーバーになることが少ないのかな? などと素人判断をしていますが、本当はどうなのでしょうか?映画は基本的に夢を与えてくれるものですから、多少キラキラしてまぶしい方が良いような気がします。

その酒場のシーンで、客達が紳士的に歌を聞いているのが不自然に感じました。普通、飲んだくれの中にお色気のある歌手が入っていったら、触ろうとするすけべな客と大騒ぎになりそうなものです。よほど怖い用心棒がいないかぎり、大乱闘にならないとおかしいと思いました。

急流を下るシーンは、今ならどんな撮影をするのでしょうか? 少なくともスタジオで撮影中にスタッフが役者に水をかけるような方法は取らないと思います。さすがに興ざめしてしまいそうです。

ロバート ミッチャムはタフな感じが良く出て、いい役者でした。モンローの歌もスタイルも表情も非常に魅力的でした。いっぽう、モンローの恋人役は少し印象が薄く、もっと極悪の雰囲気を出してキャラクターを際立たせても良かったのではないかと思いました。

娯楽映画としては、スリルもお色気も適度で、しかもグロテスクなところはなく、キラキラして幸せな気分になれる、ほとんど古典的な作品だと思います。

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