映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« 無防備都市 | トップページ | オーシャンズ11 »

2007年1月23日

戦場のピアニスト

- まず殺人のシーン -

インパクトのある作品でした。ですが、残念ながら殺人のシーンの映像が衝撃的すぎるので、小さい子供には見せない方が良いと思います。思春期以降の方ならリアルな映像に感じるものがあるはずです。

ポーランドのラジオ局に出演していたピアニストの主人公は、ドイツ軍の占領によってユダヤ人のゲットーに送り込まれてしまいます。次第に生命の危機がせまるようになり、家族とも離れ離れになって、地下活動家などに助けられながら逃亡生活を続けます。目の前で次々とポーランド人が殺されていく恐怖に耐えながら戦争の終結を待ちますが、とうとうドイツ軍の将校に見つかってしまいます。

印象としては、この作品の第一の魅力は暴力、殺人のリアルなシーンにあるような気がしました。俳優の演技や、脚本の良さ、セットの緻密さなどより、まず圧倒的な暴力の描写にインパクトがあったような気がします。もちろん、ストーリーも悪くはありませんが、隠れるだけの話ですから、当然ながら退屈してしまいがちです。そうさせないためには、やはり暴力の怖さがリアルに表現されていることが必要だったと思います。

行き先不明の車に乗せられようとして、「どこに連れていくのですか?」と尋ねた途端に、無言の兵隊からいきなり頭を銃で撃たれるシーンがありましたが、これは最も非人間的な扱いを表していたと思います。怖いシーンでした。ただし、実際に銃を向けられた人は、顔をまっすぐに向けてはいられないと思います。少しあごを引くか、顔をそむけるべきでした。

整列して半分の人間を前に進ませ、前に出た人間を次々と殺して口を減らす場面も非常に怖いシーンでした。玉切れで、「あっ、もしかして見逃してくれるのかな?」という表情をチラッとした途端、また装填して撃たれるという機械的で冷酷な殺し方でした。

収容所を描いた作品はたくさんありましたが、逃亡生活を描いた作品は多くはないと思います。普通に考えれば単調で退屈な物語になってしまうはずですから、うまく演出しないかぎり眠くなってしまうはずです。この作品では、あまり眠くなりませんでした。

主演の役者の顔が良かったと思います。まゆ毛からして、悲劇的でした。 

おそらく日本の憲兵なども中国や朝鮮ではドイツ軍と同様に非道なことをしているのでしょうが、収容所に計画的に送り込むような緻密さはなかったように思います。

軍人だった人の話では、中国の場合は相手が兵隊か一般人か分らない格好で銃を撃ってくるので、結局民間人に対しても発砲せざるをえないために、その気はなくても虐殺になってしまうそうです。言葉が分らないだけで、誤解されて殺されるケースも多いのではないでしょうか。

戦争になったら兵隊の恐怖感のせいで、一般人も巻き添えになってしまいます。今は特に民族浄化などという怖いことが起こりますから、絶対に戦争を避けることが望まれます。

 

« 無防備都市 | トップページ | オーシャンズ11 »