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2007年1月 3日

七年目の浮気

監督 ビリー ワイルダー

登場人物としての主人公、リチャード氏は、バケーションに旅立った家族と離れて、一人暑い街で仕事をしていますが、アパートの2階に美しい娘が越してきたため、浮気の虫が騒ぎます。このリチャード氏は、やたら独り言と妄想が激しく、居もしない奥さん相手に自分がもてることを申し立てたりして一人芝居を続けます。

独り言は、もともとこの話が舞台劇なので、観客に分るように主人公が説明しないといけない関係でなされているのですが、映画だと妄想の中の奥さんがモンタージュで鮮やかに現れて会話してしまい、妄想の中で男をバカにしますから、舞台より表現がしやすかったと思います。

氏は、部屋にモンローを連れ込むことに成功し、夢想と同じようにレコードやピアノを使ってものにしようと努力しますが、モンローはちょっと頭が足りないのか、艶っぽい方向に話が進みません。全然色っぽくない歌で、楽しい合唱になります。無理に迫ろうとしたら、椅子から二人とも転がり落ちてしまって、ムードも台無しです。

私にも経験があります。部屋に女の子が付いてきてくれた時に限って必ず急いでバイトに行かなければならなかったりで、用事を済ませて帰ってみれば、彼女の態度がガラッと変わっていて、ムードもへったくれもない状況だったことが数回ありました。ムードは大事です。女性が求める時に満たさないと、後で必死に挽回しようとしても徒労に終わります。いつかは女性のバイオリズムについてマスターしたいと願ってきましたが、とうとう把握できないままでおります。

氏の部屋にエアコンがある関係で、暑がりのモンローが自分から部屋に来てくれますが、結局二人は離れて眠り、何のラブアフェアもなく、人の目を気にしすぎておかしくなりそうな氏は、自ら家族のいる避暑地に逃げていくという情けない話でした。善良な氏の行動をバカにしながら、私ならどうするか妄想してみましたら、「これはきっと美人局に違いない。」と神経過敏になるであろうと気がつきました。結局、何も出来ないで逃げていくことに関しては同じでしょう。

確かにモンローのような女が部屋に入ってきたら、私はおかしくなりそうです。時々、私のクリニックにも恐ろしいほどの美人が来て、診察の時にあらよっ!ボロンとおっぱいや陰毛を出したりすることがあり驚きますが、思い切りよく出されるといやらしくありません。かえって服を着て、しゃなりしゃなりと歩かれる方が、何か妄想してしまいます。

この作品は公開当時、大変な評判を読んだそうです。何と言ってもモンローが地下鉄の風圧でスカートを巻き上げるシーンがロケで撮影されたそうですので、駆けつけたヤジウマ達で騒然とし、夫のディマジオは立腹するやら、映倫のような機関が目を付けるやらで、宣伝としてはこれ以上ないくらいの効果があったようです。この年の、20世紀フォックス作品の興行収入ではトップだったと聞いています。

ところが結局はロケのシーンは公開が規制されたそうで、スタジオでセットを作ってわざわざ撮りなおしたのが公開されたようです。私が見たDVDでも、スカートの舞い方は非常におとなしく、写真で見たような「オー、モーレツ!」(古い)のような大胆なシーンではありませんでした。当時の作品としては仕方なかったでしょうが、公開されなかったロケのフィルムを、ぜひとも今のDVDには付けて欲しかったと思います。気が効かない会社です。

この作品は、規制がされた関係で今や家族で楽しめる作品と言えるかも知れません。色気のつきかけた子供に、どんな影響があるか知りませんが、パンツ丸見えでさえないので、キャハハと子供が笑える程度になっています。恋人と今見ても良いような気がしますが、さてどうでしょうか?

もし現代にこの作品を撮り直すとしたら、もしかして地下鉄のシーンは、ノーパンのシャロン ストーンが抜擢されるかも知れません。そうなると、もう私には笑えません。でも、それくらいしないと話題にならないでしょう。この作品ではモンローなくして企画が成立しないくらい、彼女の魅力は輝いています。

原題の seven years itch の itch は、なんとなくニュアンスは分ります。ただ、海辺などで美しいピチピチギャルが目の前を歩いていると、子供の手前、無意識のうちに目をそらそうと努力している自分では itch の具体化どころではありません。まったく、情けない甲斐性なしの自分に腹が立つ!

 

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