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2007年1月21日

ジュニア

- 家族でみるべき -

主演 シュワちゃんとダニー デビート

シュワルツネガーとダニー デビートは、「ツインズ」でも共演していましたが、好対照な個性のため良いコンビだと思います。共演するだけで笑えるというのは、凄いことです。

作品のアイディアも良かったと思います。同じような話はテレビかマンガでも見たような気がしますが、筋肉マンのシュワルツネッガーが演じることでおかしさが倍増します。

人工授精の技術はすばらしく進歩しています。シュワルツネッガーとダニー デビート博士は共同で研究していましたが、新しい研究者のエマ トンプソンに研究室を明け渡さなければならなくなります。あせった彼らは、エマ博士の保存していた卵子を使って、シュワルツネガーを妊娠させるという実験をやってしまいます。母性に目覚めたのかホルモン剤の効果か、筋肉マンのシュワちゃんが、母親みたいな表情をするようになります。産気づいたシュワちゃんが、ハヒハヒ言いながら大きなお腹を抱えて出産に向かう場面は、彼の表情のすごさだけでも笑えました。

ホルモンや受精、妊娠の維持のメカニズムがどんどん解明されて、それこそSFみたいなことが実際にやれるようになっています。

でも時々、私には分からなくなります。難しい出産の成功は、子供が得られなかった夫婦にとっては最高のことでしょうが、膨大な資金と労力を要しますから、国家全体の価値感(主として経済的)から考えれば、他の何かを犠牲にしなければできない行為となります。

高度な人工授精技術を徹底的にやれば、おそらく現実としては老人の延命を中止しないとやっていけないと考えざるをえません。本当は予算の使い方のバランスに問題があるのですが、政府の予算編成を国民が何十年も支持してしまっていますから、医療費を極端に制限する方向でいかざるをえないのが現実です。そうなれば、高度医療の代わりに何かを見捨てなければなりません。私は反対ですが。

残念ながら、このまま行けば高度な医療行為は金持ちしか受けられない時代がくると思います。おそらく欧米の医療保険に加入していないと検査や治療ができなくなるのではないでしょうか。そう言われると「そんなのは絶対支持しない。」と言うでしょうが、実際その方向に行くのを支持していることに、ほとんどの人が自分では気がついていないだけのようです。

この作品は、報道されるような昨今の人工授精の技術がヒントとなっているようです。大人も子供も楽しめる、アメリカ的な娯楽作品だと思います。どぎついサスペンスや派手なアクションはないので、友人といっしょに見て盛り上がる作品ではないと思います。恋人となら良い雰囲気になれるかも知れませんが、妊娠が話題になると気まずい二人では、やはりこの映画は敬遠すべきでしょう。

エマ トンプソンという女優は、日本人の女優のようにオーバーな身振り手振りをするなというのが私の印象です。「寅さん」等の喜劇で出てくる俳優は型にはまった感じがして、前もって感覚をリセットしてから見ないと不自然さにイライラしてしまいます。

演技者としては彼女らこそが正統派だと思いますが、ニューシネマなどの影響のためか、私が子供の頃は演技らしくない演技が名演という風潮があったので、オーバーだと違和感を感じてしまいます。

そのような関係で、この作品での彼女はヒロインなのにもかかわらず、私には魅力的には映りませんでした。色気が隠された冷たい研究者というというのが望ましい設定でしょうから、もっと色っぽい女優ではどうだったろうかと思います。グラマー女優がメガネをかけて演じれば、クールに演技するけれど、色気がにじみ出て面白いのではないでしょうか?

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