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2006年12月30日

恋愛小説家

-  都会の孤独をいやす -

この映画と似た雰囲気の作品がいくつかあります。それらに共通するのは、都会に住む人達の心の交流をテーマにしていることです。日本ではあまりメジャーではありませんが、アメリカでは一人暮らしの歴史と数がちがいますから、繰り返し作られています。どれも共通の温かい感覚が味わえます。まさか、製作者達が皆仲間ではないとは思いますが、俳優も繰り返し出ているような気がします。

「ティファニーで朝食を」も、このグループの映画だったのかも知れません。主人公は田舎の生活を捨てて来ていましたが、次第に都会で生まれて都会で一人暮らしする、いわば第二世代、第三世代のシングルが根付いているような気もします。日本でも一人暮らしの人が増えていますので、マンションの住民の心の触れ合いを描く作品が多くなってくるかも知れません。

話がそれますが、田舎も一人暮らしが増えています。結婚が難しいことや、農業では生活が成り立たないために独身にならざるをえない、兄弟は都会に出ている、という人が増えているのは間違いありません。田舎の農家の結婚を扱った作品もいくつか出来ているようです。「恋するトマト」も、そのひとつです。

この作品は暴力的な映画ではないのですが、基本的には子供が見るべき映画ではないと思います。テーマが子供向きでないというだけの理由ですが。

恋人と見るのはお勧めです。しゃれた雰囲気があると思います。

主演のジャック ニコルソンは、この作品の公開当時60才だったそうですが、年をとっても昔とまた違った迫力があります。「カッコーの巣の上で」の頃はギラギラした感じが強く、「バットマン」の頃はコワモテというか本当のワルの雰囲気がしましたが、今回は自己中心的な神経症、偏執狂のような役柄を演じています。その演技には笑ってしまいますが、嫌悪感を感じさせるとマズイですし、あまりに病的だと笑えませんし、ちょうど良いバランスが見事だと感じました。

友人役のグレッグ キニアは有名作品で頻繁に見かけますが、どこか日本の風間杜夫のような顔の俳優です。善意を感じさせる顔と、独特の感性を持っているような雰囲気がよく出ています。暴行されたために破産するという話は気の毒ですが、アメリカではありえます。実際には足長おじさんのような人は少ないので、アメリカで病気になった貧乏人は我慢するしかないのが現状でしょうが、日本の場合は保険制度がアメリカより優れているために、優れた医者を受診することが可能です。

制度は優れていますが、制度の詳細は密室で決定されていますので、卓上の論議で結果を充分予測しないまま決められていることが問題です。日本は、医療に関しては完全に管理社会で、一方的にルールが決められます。極端な話ですが、役人が自分の退職後の利益のために業者に融通を図っても、国民も医師会も手を出すことができません。医者が病院からいなくなっても、熱意ある医者が過労死しても、役人が責任を問われることはありません。

また、平等を目指す点は良いのですが、平等にこだわりすぎたために細かな規則を作りすぎて管理機構が肥大化してしまい、事務作業で経費が無駄に使われています。効率が悪いのです。医療事務業者や検査会社ばかりが儲けて、医療機関は収入が上がらず、患者さんの自己負担も上げざるをえないという構図が固定されています。

そんな関係のないことが気になりましたが、映画を見終わった後にはやさしい気持ちになれる作品でした。

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