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2006年11月28日

ブレード ランナー

- ドギモ抜き映像ー

監督 リドリー スコット、主演 ハリソン フォード

この作品のセンスには驚かされました。製作当時は日本企業の調子が良かった頃で、日本製品がアメリカ中を席巻していました。その心理的な影響のためか、もしくは監督が日本を旅行した時のインパクトが強かったためか、映画の中で日本製品のCMがあふれています。欧米の人が見たときと私達が見た時の印象は違うでしょうが、効果は双方にあると思います。

SF映画の鉄則は、まず映像で迫力を出すことです。精緻なミニチュアでも、細かいCGでも良いのですが、信じられないくらい巨大な建造物の量感を出すことが、作品の人気に直結します。

「スターウォーズ」でまずドギモをぬかれたのは、冒頭の巨大宇宙船の映像がいつまでたっても続いていたことでした。オープニングで、観客にうわーっと感じさせることは作品全体の出来を左右するほど重要です。この映画の中の都市の映像も、建物の大きさがとんでもないものであるように設定されていますし、町自体が広大で複雑です。あちこちで炎が吹き上がる不気味な様子も現実離れしたスリルを予感させるかのようです。

例えばこれが清潔な感じの未来都市だったら、何か違和感があるだろうと考えます。もしかすると、「アイランド」の映像が清潔なイメージだったのは、思わぬところで迫力を損なっていたのかも知れません。せめて建物の大きさをイメージさせる映像を最初に入れておけば、かなり迫力が増したのではないでしょうか。工夫が足りなかったと思います。

脱出した人造人間達との各々の話は、他のSF映画のドラマと特別にレベルが違うものではなかったと私は思います。しかし、悲しさはよく出ていました。逃げようとして撃たれて死ぬ女の無念そうな感じ、悪役?のルトガー ハウアーが自分達の取った行動を説明するラスト近くのシーンには、訴えかけるものがありました。演出の力を感じます。

少し長い単調な部分もあって、落ち着いた時間でないと見れない作品ですが、傑作だと思います。映像のフィルターは、同じ監督のエイリアンと似た雰囲気で、不気味な感じでした。原作は、有名SF映画の原作をたくさん書いている作者ですから、千両役者ならぬ製作者達がそろって作っていることになります。役者達も一流でした。

この映画を真似た作品が、いくつか後に作られました。確かにそれくらいインパクトがありました。

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