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2006年11月 9日

コラテラル ダメージ

- 新しいヒーロー像は受け入れ難し -

主演 アーノルド シュワルツネッガー

この作品は、新しいヒーロー像を描こうと試みています。したがって、スーパーヒーローを期待する子供にはイマイチうけが悪いのではないかと思います。最近のヒーローものとは違って、特撮が少ししか使われていないので、これも悪条件です。恋人と観るときも同じかも知れません。製作者はクリエイティブな人達だろうと思いますが、観客うけをどうねらうかは難しい問題だと思いました。

この作品の主人公は、いままでのシュワルツネッガーと比べて弱めです。今までは敵を一発でのしてましたが、今回は逆にやられてます。消防士という設定のため、現実的な姿を考えたのでしょう。主人公の奥さんと子供がテロリストの爆弾で死んでしまいます。ところが政府はゲリラと協定を結ぶために反撃する意志を示しません。主人公は単身で敵の本拠地に乗り込んで仇をうとうとしますが、逆につかまって敵の家族にかろうじて助けてもらいます。はたして、復讐はできるのか?という話です。

さて、その新しいヒーロー像は受け入れられたのでしょうか? 私にはよく分りません。普通はスカッとしたいから映画を見るので、敵を殺しまくって「あら、やっちまったい。」と気にしないくらいのヒドい主人公のほうが観客は喜びます。映画に限らず一般社会でも、中心人物はあまり考えないほうが支持されます。別に小泉首相がどうだと言ってるわけではありません。この作品の主人公は、ですから難しい設定にあえて挑んでいます。私は、その心意気を評価したいと思います。でも、一般的には「ふーん、なんかイマイチね。」と評価されるように思います。

テロリスト自身も工作員に娘を殺されていて、残忍なだけの男ではないようです。この表現の仕方は、今までのアメリカ映画よりも真実に近くなってはいますが、あまり好意的に描くと観客が怒り出しますから中途半端にならざるをえませんので、これが限界かもしれません。この辺も変っている点で、通常ならアメリカの観客には受け入れがたい映画でしょう。もともとこのように製作されたのか、9・11事件後にこっそり撮り直したのか知りません。

観た後に、もう一度見たいか自問してみましたが、1回で充分だと思いました。でも、だからこの作品が駄作だとは思いません。心意気を買ってやろうじゃありませんか。

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