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2006年11月 6日

ドライビング Miss デイジー

- 深刻であるほどやさしく、おかしい -

この作品には暴力シーンはありませんしテーマもまともですから、子供に見せても悪くありません。でも、日本の子供にはピンとこなくて、インパクトはないかもしれません。小学校高学年くらいなら、勘の良い子は分ってくれるでしょう。恋人といっしょに見るときも若い人ではピンと来ないかもしれませんが、中には深く感動する方もおられるだろうと思います。要するに、人種差別の認識具合によってくるのでしょう。

名作なんですけど、ビデオ屋さんでは隅っこに1個くらいしか置いてありません。あらすじを説明しますと、高齢で運転があやしくなった老婦人のために、息子が黒人の運転手を雇ってあげますが、老婦人はこれに反発します。でも、やがて心が通じ合うようになり、一番の親友だと言えるまでになる物語です。

主演の二人の演技力は大したものです。ジェシカ タンディという女優さんは、「コクーン」「ガープの世界」等にも出演していましたが、舞台が活動の中心だったらしく、若い頃の映画を見たことはありません。あちらはいろんな役者がいますが、とにかくよく探してきたもので、イメージぴったりです。確か80歳くらいで演じているはずですが、頭も足腰も実にしっかりしています。

いっぽうの モーガン フリーマンですが、この作品の前に、舞台で同じ役をやっているそうですが、この映画の時には50歳くらいだったはずです。昔からふけてたことが分ります。この映画では、どこかエディ マーフィー風に、ジョークかましてゲラゲラ笑っている姿で登場しますが、徐々に役風が変って、友情、愛情が感じられる雰囲気になってきます。この辺の演技と演出ぐあいも見事です。

国にもよりますが、今でも人種差別はひどいものです。映画の中で黒人に対するリンチのことが少し話されますが、かの国に実際住んでいれば、それはそれは本当に恐ろしいものでしょう。私達に対しても、例えば学会の会場のかなりフォーマルな場所でも、別に理由もなく顔をそむけられることがあります。横で様子を見ていて初めて気がつくような、じょうずなやり方でやられます。いっぽうで、このような映画を作るような人達もいるのが面白いところです。

映画の語り口が穏やかで、露骨さがないのが素晴らしい点です。テーマは深刻なのですが、語り口が穏やかでユーモアに満ちています。したがって、深刻さが分る人ほどユーモアもおかしく感じられる仕組みになっています。

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