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2006年11月20日

ガス燈(1944)

-主演 イングリッド バーグマン、シャルル ボワイエ -

この作品は1944年製作で映像は古く暗くなってますが、ちょうど暗さを出すことがねらいの作品なので、それに関しては問題ないと思います。音がちょっと聞き辛いことがあり少し気になりました。仕方ないと思いますが。

激しい殺人などのシーンがありませんので、子供も見てよいと思いますガ、テーマとしては良くないかも知れません。恋人や、友人などと見ても良いと思いますが、テンポが昔風なので気に入らない人もいるかもしれません。もともとが舞台用の話ですし、全体的に静かな恐怖を描いていますので、アクションがほとんどありませんし、スピード感で緊迫する今風の場面を期待してはガッカリしてしまいます。

あらすじはいたって簡単で、映画のほとんどのシーンは何かの小さな事件が起こるごとに若い妻の不安感が高まるのを描いています。最後の場面は種明かし的ですが、ボワイエの迫力のためか、「あ~あ」とガッカリするような感じは私にはありませんでした。他の人は違った感想を持たれるかもしれません。

タイトルもしゃれています。「~の恐怖」「~物語」といったタイトルでは、ちょっといただけない感じで、「ガス燈」を聞いてしまうと他のタイトルは思いつきません。

ガス燈が急に暗くなることが映画のカギになっていますが、ガス燈を見たことがない私には全く思いつかないアイディアです。でも説明されると、すぐ理解できます。昔はあんなもので明かりを照らしていたとは驚きです。日本の家屋では考えられません。

まだ家が空き家の状態のうちに、殺人犯が忍び込んで充分探さなかったのはなぜかということが映画では詳しく説明されていなかったように思います。また、長期間探していたはずなのに部屋の中がそのように見えず、ボワイエの探し方も乱暴すぎるのが不自然でした。はるばる国境を越えて殺人者がヒロインを追っているのにお金には困っていないのか等、設定には不自然なところもありますが、細かい点は気にする必要もないと思います。

シャルル ボワイエには、すごい迫力がありました。居るだけで場面が緊迫するような俳優だと思います。バーグマンよりも存在感がありました。この作品の出来を決定していたようです。他の俳優と何が違うのか考えてみましたが、声、眼、眉毛?などの微妙な動かし方と、もともとの造作の特徴によるのかも知れません。感じは随分ちがいますが、今だとジャン レノも存在感があります。眼力は両者に共通しているような気がします。

バーグマンの演技もすばらしいと思いました。徐々に自分の正気が信じられなくなっていくのが実にうまく表現できていました。彼女は舞台出身ですから、勝手に演技させると観客を意識しすぎるような気がしますが、この作品では抑制が効いているために内なる不安感が私達にも分る演技でした。監督の指示が良かったのかも知れません。大仰になっていたら、白けてしまっていたでしょう。

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