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2006年10月 1日

ジャイアンツ(1956)

 

エリザベス テーラーが主役の映画。

 

でも、この作品はジェームズディーンの遺作としてのほうが、より知られている。最近とんと話題に登らない作品。ジェームズ・ディーンを知る世代が歳を取り、いにしえのスターになってしまった関係だろうか?劇場主としては、「それはないよう、これはいい作品だー。」と叫びたい映画。だが、時間の長い大作で、叙事詩的な描き方でもあり、気合いを入れて観ないといけないから、若い人が興味を持たなくても仕方ないかも知れない。

 

子供が見てもいい内容だろうが、日本人では大人ですら感覚的にピンと来ない人が多いと思う。基本が米国南部の歴史物語だから、仕方ない。恋人と見るのは、時間に余裕があるならいいかも知れないと思うが、若い人だと、たぶん「ふーん、だから何?」という感想を持つだろう。アメリカ南部の人なら、絶対感じ方が違う。爆笑し、感動の涙を流すかも知れない。今日にも続く、彼らの問題点がいろいろ掲げられている。

 

エリザベス テーラー演じる若い花嫁が、東部からテキサスにやってきて、テキサスの社会と様々にかかわる物語。東部の人間が感じるテキサスの特徴は、違和感だらけだったはずだ。果てしない荒野、荒くれ者の国。そして様々な諍いを経る中で、やがて溶け込んで行く話。いかにも、お嫁さんがたどりそうな道だろう。

 

たぶんジャイアンツとは、ジェームズ ディーンのことだと思うが、ロック・ハドソン演じた牧場主一家の面々にも、そんな雰囲気は宿る。何と言っても、〇×3世などと、王朝並みの世襲が続く点が、いかにもジャイアンツの雰囲気だ。要はテキサス的なもの全てを意味しているのかも知れない。この映画は文芸作品のにおいがプンプンする。広大な土地、男性社会、 人種差別、巨大な富、強欲、暴力など、矛盾に満ちた土地柄が、劇場主にも理解できた気がする。壮大すぎる描き方だったが、そうでないと壮大な地域は語れないということか?  

 

エリザベス・テーラーは、さすがに今風の美人ではないなあと感じる。大御所スターになって以降の彼女の演技は大げさな舞台俳優のような所作が目立つが、この作品では立場をわきまえた感じで、わりと自然。映画の特徴から、そうしたのかも知れない。演出もテキサス風なので、感情表現をあまり要求されなかったのかも。

 

ジェームズ・ディーンは、リーゼント姿がすたれるとともにポスターで見かけることも減ってきた感じがする。リーゼントスタイルは、おそらく彼に憧れることから広まったのではなかろうか?彼は、かってはスター中のスターだった。この作品では汚れ役だが、やはり彼らしい魅力を見せている。生きていたら、その後どんな映画に出ていたろうか?おそらくイメージを壊し続け、好んで悪役を演じていただろうと想像する。そんな役者根性を感じる。

 

この作品はスケールの大きい、映画らしい映画。でも文芸によりすぎてもいる。もし、この作品をジェームズディーン中心の視点で描いていたら、すごい名作になっていたかもしれない。人種差別の問題を正面から描いていたら、大変な議論を巻き起こして興業が難しくなった可能性もあるが、語り続けられる作品になったかも知れない。叙事詩として描くか、もっと短くして反抗、のし上がりの視点に特化するか、その選択によって、大きく変わりうる題材だったかも知れない。(2017.05.25改編)

 
 
 
 
 
 
 

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