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2006年10月15日

きみに読む物語

  - 奇跡を呼ぶ愛の話 -

監督 ジーナ ローランズの息子  主演 ジーナ ローランズなど

この作品は、美しい愛の物語です。子供に見せても良いと思います。軽めのラブシーンが少しあります。小さい子は意味が分らないかも知れませんが、小学生くらいからなら感動してくれる子も多いと思います。家族で見ると、愛情の深さについて感じるものがあると期待できます。恋人といっしょの場合は、仲がバッチリの時は問題ないのですが、二股かけられて、しかも自分の方がやや分が悪い場合には、「よっしゃ、私はやっぱり愛に生きる。じゃ悪いけど、あんたサヨナラ。」と、決定的な判断をさせてしまう可能性がありますので、慎重に判断して見て下さい。

物語は、認知症(痴呆)がひどい婦人に、ボランティアの男性が恋の物語を読んでやるという話です。その話は、上流階級の令嬢と地元で肉体労働をやっている青年が恋に落ちるが周囲の反対で別れてしまうという物語です。話しているうちに、おそらく大半の皆さんがあらすじを読めてしまうと思いますが、ストーリーが分ってしまっても、この作品の価値は下がりません。男性が語る恋の物語がラスト近くで奇跡を起こし、きっと感動できます。

主演の男優はストーリーから考えて、もっと目に強い意志を表現できる俳優の方が良かったのではないかと思います。主演女優は、令嬢など会った事もない私なので、グレース ケリーと違うなくらいしか分りませんが、たぶん上流階級の純粋な娘さんの雰囲気を出しているようで、充分魅力的に思えました。老人役の2人は本当によい演技だと思いますが、特に認知症の婦人の演技は実に迫真のものでした。老人病院では、同じような表情の女性をたくさん見かけます。この女優ジーナ ローランズは、ちょっと前の映画の「グロリア」では結構若く見えたのですが、今回はすごいリアルな老け役でした。実際の認知症の方と同じ目つきでした。

私はアメリカの飛行機の中で認知症の婦人と話したことがありますが、かの国では認知症の高齢者でもコーラを注文していたので、さすがアメリカのおばあちゃんは違うと思いました。関係ない話ですが。

仕事がら認知症の方の家族とよく話しますが、穏やかにニコニコするばかりのボケ方なら良いのですが、暴力を伴うようになったり、徘徊や不潔な行動を取られるようになると、聞いてて涙が出てくるほど辛いことになります。当事者でないと分らない悲しみだと思います。この作品のような奇跡は、やはり映画でないと無理のようです。

でも、愛の力を信じたい気持ちになりました。

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