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2006年10月 8日

オリバー トウィスト

監督 ロマン ポランスキー 主演 ベン キングズレーなど

 この作品は家族で見てもいいとは思いますが、軽く楽しめる映画ではないようです。爆笑するシーンがないのはもとより、涙を流すタイミングを見つけるのも難しいのですが、重みを感じさせる不思議な作品です。ジョークのシーンはありますから少しは笑えますが、長い時間は続きません。恋人とも見てよいでしょうが、見た後にどんな話をすれば良いのか私には分りません。「で、今度ドライブでも行こうか?」と、話題を変えないといけないような気がします。やはり恋人とは韓流TVドラマのほうが無難です。 

この作品はディケンズの原作に近い形で作られています。 かってのイギリスを舞台にしていますが、なぜかイギリスのような感じがしません。監督のせいか、どう見ても東欧の国が舞台のような気がします。この監督は私達とは比較にならないひどい経験をしていますから作品の雰囲気が重くなりがちですが、この作品も超重量級です。主人公のオリバー少年がイジメられ、だまされ、おびえる姿が延々と続きます。その中で思いやってくれる人々がわずかにいることが救いです。

この監督は、うつ病ではないのかな?と思います。考えてみれば、ゲットーで育ち、母を収容所で殺され、父と離ればなれになり、恋人は死に、スキャンダルで国外逃避をすれば、おかしくならない方がおかしいかも。 悪役を演じるベン キングズレーが、いつもながらの熱演です。今回は独特の眼力を細い目に隠していますが、時折するどく光らせていますので着目して下さい。このじいさんが本当の主役でしょう。「ガンジー」のころは、印象が強烈すぎて今後も聖人の役しかできないのではと思いましたが、悪役もさまになっています。考えてみれば両方とも迫力が必要なことだけは共通です。主演の少年も悲しそうな表情が印象的ですが、これまた東欧の少年に見えるのは私だけでしょうか? 

セットだけでも相当なお金をかけていると思いますので、せっかくですから見て下さい。街をひとつ作ったんじゃないの?と、言いたくなります。 はたして観客はこの作品を評価してくれるでしょうか? ヘビー級の、重く深い作品です。

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